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2016年 4冊目『朱の記憶 亀倉雄策伝』

※この文章は2016年1月にFacebookに投稿されたものです。

リクルートのOBである馬場マコトさんの著書です。
たくさんのROBがお勧めされていたので手に取りました。

亀倉雄策さんは、
以前オリンピックロゴマークを作った事で有名な、
日本にグラフィックデザインそのものを作った第一人者です。

また、リクルートの最初のロゴマーク(四角にカモメ)を
作って頂きました。

そしてリクルート事件の最中、
リクルート本社にご自身の事務所を移転する事で
応援して下さった大恩人でもあります。

オリンピックでロゴマークを作り始めたのは、
1964年の東京オリンピックの時からだそうです。
そして、それを提案したのが亀倉さん。

しかも、それをわざわざコンペにしようと提案したのも亀倉さん。

しかし、コンペ当日まで作るのを忘れていて、
数時間で2案作成し、その本命案が、有名なロゴマークでした。

亀倉さんしか無い経験、感性をベースに短時間で作り上げるのが、
独特の仕事の仕方でした。

トイレのマークや、
街にある様々な言語フリーのユニバーサルなアイコンも
この時に亀倉さんが考え出したアイデアでした。

今では当たり前になったオリンピックや街のロゴや
アイコンを生み出した方なのです。

元々作られたのは知っていたのですが、
初めて作られた創始者だった事までは知りませんでした。

リクルートとの関わりも丁寧に、
そして私が今まで読んだ本に掲載されていない内容が書かれていました。

特にリクルート事件が起き、
子会社であったリクルートコスモスの借金を
どう処理するのかを検討していた最高経営会議での描写は衝撃でした。

亀倉さんがいなければ、
別の判断をしていたかもしれず、
今のリクルートの形ではなかったかもしれないと感じました。

また、ダイエーの中内さんに創業者の江副さんが株を売却した際も、
事前に亀倉さんにだけ報告していたとありました。

グラフィックデザインにまつわる有名な方々との
交流のエピソードも興味をそそります。

リクルートで作って下さったCreationをもう一度読みたくなり、
さっそく広報に連絡をしました。

リクルート関連の方々、
グラフィックデザイン関連の方々は必読だと思います。
お勧めです。

▼前回のブックレビューです。

▼新著『業績を最大化させる 現場が動くマネジメント』です。
よかったら、みてください。

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