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『アメリカ海兵隊』

この記事では、「Project Management/チームで仕事を進める」というテーマに関心のある方にオススメの書籍をご紹介します。


取引先のトップも本が大好きで、お互い参考になる本を紹介しあっています。そのOさんから紹介してもらった本の1冊です。

日本の人材部門研究のトップの野中郁次郎先生の代表作です。


アメリカの軍隊で、ならず者集団で異端であった海兵隊がエリート集団になっていく変遷を考察されています。

野中先生は、リクルート時代に私が最後に属していたワークス研究所の支援も頂いてます。機関紙のWORKSには毎号、先生の論考が書かれています。

海兵隊、名前は知っていました。
ブートキャンプをやっていることは知っていました。
肉体のエリートのイメージを持っていました。
戦略的にも優れているというイメージを持っていました。

この本を読み、海兵隊のすごさも学べたのですが、組織が自分たちで変化し続けることの重要性を再認識できました。

一般の軍隊は、陸海空の3つに分かれています。
海兵隊は、その3つの機能を併せ持つ軍隊です。

設立当初は、占領した場所を守る機能を持つ、言わば後方部隊に過ぎませんでした。しかし、海兵隊の何人かのリーダが、今後の戦争では、海から攻めて、そこを占領するという事が重要だという事に気づきます。
そこで、彼らは、海兵隊の機能を水陸攻撃のスペシャリストに位置づけます。

その考察は正しかったのです。
第二次世界大戦で、日本はガダルカナル島での大敗をきっかけに敗戦への一本道を進むのですが、その際の中心的な役割を担ったのが海兵隊でした。

海兵隊は、戦争時には重宝されるのですが、平時には、そんな機能は不要だと、人員予算を削減されるのです。元々、陸海空が中心だという意識もあり、何かあると、この3軍の配下組織にされます。

つまり、海兵隊は、どのように成果を挙げようと、何かあると縮小されるという危機意識が常にあったのです。
どうすれば、それを避けられるのか?

常に、未来を予見し、その時に必要な機能を自分たちに磨き続け、その未来が来たら、それを実践し、成果を挙げることです。
すると、やっぱり海兵隊は凄い!という話になるのです。
これって、軍隊に関わらず、会社や組織でも必要です。
自ら変わり続けるということですね。


どのように成果を挙げても、過去の栄光にこだわらずに、変化し続ける必要性を学べます。

海兵隊は、全員がライフルマンであるという認識があります。
パイロットも船乗りも、すべてライフルの腕が一定水準以上なのです。
これは最後の白兵戦でも、勝てるということから逆算しているようです。
また、ブートキャンプで心身ともに兵士として鍛えます。
かなり、すごい訓練のようです。

しかも、その上官向けのブートキャンプはさらに過酷なのです。
リーダは、肉体的にも部下よりもすごくないと話にならないのです。
これなんかも、まさに会社や組織でも同じですね。
戦争の話であり、日本が負ける原因を作った海兵隊の話です。
読んでいて、楽しい描写だけではありません。
しかし、少し抽象度を上げて、組織の変化の変遷から、自分たちが何を学ぶのかという観点で読むと、学ぶべき内容がたくさん載っています

参考になります。
Oさん、ご紹介ありがとうございました。


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