2016年 105冊目『保守主義とは何か』
東大教授の宇野重規さんの本です。
「保守」と言う言葉を目にする機会はあるのですが、どういう意味なのか?と聞かれると答えられないので手に取りました。
進歩主義に対抗して生まれ、伝統主義、復古主義、新自由主義と一線を画す主張、と帯にあります。
社会が進歩に向けて前進する事は良い事だし、未来に向けて何かしらの理想に向けて現実世界の変革をすることは肯定的に語られます。これが進歩主義。
それを批判する立場が保守主義。
仮に人間社会が進歩していたとしても、その進歩のスピードを早める事や、急速な進歩、さらには革命で失われるものが多くある。
社会は、過去からの連続性の上に、少しずつ進んでいくべきである。
これが保守主義で、保守主義の思想は、楽天的な進歩主義を批判するものとして生まれ、発展してきました。
この保守主義について、
フランス革命と闘ったエドマンド・バーグについて触れる1章。
社会主義と闘ったT.Sエリオット、ハイエク、オークショットに触れる2章。
大きな政府と闘ったアメリカ保守革命とリバタリアニズム、ネオコン革命に触れる3章。
そして日本の保守主義について触れる4章。
最後に21世紀の保守主義について触れる5章。
と言う構成になっています。
著者が保守主義ではない事からフラットに書かれているように思います。
さっくり理解するには良い本です。
▼前回のブックレビューです。
▼PIVOTに出演しました。よかったら、ご覧ください。
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