2019年 70冊目『私が会社を変えるんですか』
エッセンシャルマネジメントスクール0期で同じチームで現在は同校の副学長に就任された本間正人さんの何十冊目かの本です。
本間さんは英語の本やコーチングやファシリテーションの本を多数出されています。
毎週水曜日3時間、同じ時間を過ごさせていただき、とても学びが多かったのです。
ゴールデンウイークには本間さんが主宰されている2日間のファシリテーション研修にも参加しました。
そんな本間さんの新著です。
読まないわけにはいきません。
私は不勉強で知らなかったのですが、アメリカではやりだしているというAIについての本です。
AIといっても人工知能ではありません。
ここでのAIは、アプリシアティブ・インクワイアリ―の略です。
「AI」とは、アプリシエイティブ・インクワイアリー(Appreciative Inquiry)の略で、Appreciativeは「真価がわかる」「価値を認める」、Inquiryは「探求」「質問」などの意味を表します。
AIは、米国で開発された人材開発や組織活性化のアプローチの一つ。
ポジティブな問いや探求によって、個人と組織における強みや真価、成功要因を発見し、認め、それらの価値の可能性を最大限に活かした最も成果が上がる有効なしくみを生み出すためのプロセスを指します。
本の内容は、共著者である中島崇昴さんの実体験をベースにした企業改革の物語が前半。
そして後半がAIの説明という内容になっています。
外部コンサルタントとの有効な仕事の仕方なども学べます。
類書でいうとミスミの復活劇が下敷きになっている名著『V字回復の奇跡』や同じく更に大企業である日立の復活劇を書いた名著『ザ・ラストマン』の中小企業版という感じです。
事例が大手メーカの子会社、それも3社が合併したシステム子会社の復活劇です。
部署間のサイロ化に加えて、親会社との軋轢など、大半のエネルギーが内部に向けられています。
主人公も親会社からの人材なので、そのような軋轢に巻き込まれます。
読んでいても、痛快です。
加えて、説明が丁寧なので、理解がしやすいです。
個人的な興味関心でいうと、物語のボリュームが多くて、解説がもう少し少ないのが好みです。
書いていないところを想像するのが好きなので、ここまで丁寧だと想像するところが無いのです。
それくらい丁寧で親切な本です。
人材開発についての予備知識がない方でもきちんと理解できる本だと思いました。
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