ハイエナに会いに行く。~ハンピ~ゴア~
ゴアに向かうためにはハンピから鉄道の通っているホスペットという町まで行かなければならない
7時50分発のチケットを買っていたから少し早めの5時30分にハンピを出れば余裕をもって行動できる
旅にトラブルは付き物だから早く到着するに越したことはない。
オートリクシャに揺られホスペットの町に到着すると、まだ日が昇る前で町自体眠っていた。近くの商店も動き出していないようだ。
ゴア行きの列車が到着する1時間近くの間、駅構内の待合室で仮眠をとることにした。
待合室には数組の客がすでに待っていて、辛うじて横になれる長椅子が一つ空いていたが、これから増えるであろう客のことを考えると一人だけ横になって寝ることは遠慮せざるをえなかった。
バックパックを抱きかかえるようにして眠っていると、ハッとして目が覚める
周りを見回すと先ほどより数人待っている客が増えていて、時計を見るとさっきから10分も経っていなかった。
再び眠りにつくと、またハッとして目が覚める。
さっきと同じように待合室の中は人が増えていて、時間も10分ほどしか経っていなかった
そんなことを何度か繰り返し、ようやく出発予定時刻の7時50分が近づいたところでホームに出て待つことにした。
しかし、出発予定時刻が過ぎても一向に列車が来る気配がない
インドの列車は遅れるのが当たり前と聞いていたから、きっと遅れているのだろうとこの時点では不安はなかった。
しかし、30分ほど過ぎてもまだ列車が来る気配はない。
さすがに心配になって駅員さんに聞きに行ったが、このホームに必ず来るから待っていろと言われ、そう言われると黙って待っているしかなかった。
しばらくすると、列車が到着し、ぞろぞろと皆が乗り込んでいく
僕は自分の車両がどこにあるのかわからなかったのでたまたま目の前を通過する車掌さんにチケットを見せると、車掌さんはこのチケットはこの列車ではないと言い、降りろと言わんばかりに手で僕をあしらった。
日本人の僕からすれば予定時刻から一時間も遅れていて到着した列車が違う列車だったということが理解できなかった
では僕の乗るゴア行きの列車はいつ来るのか。
もしかすると何かの不都合でゴア行きの列車は運行停止になったりしてしないだろうか
僕はホームにいる駅員さんにもう一度聞きに行った。
しかし、駅員さんはまた先ほどと同じここで待っていろとしか言わなかった。
必ず来るかと聞くと、必ず来ると答えた
僕はおとなしくここで待っているしか方法はない。
周りを見回すと数人が待っているだけで待合室で見た顔は見当たらなかった
待っていても常に不安が付きまとったが駅員さんの言うことを聞いて待っているしかないのだ。
結局列車は約1時間30後に到着し、ようやくゴア行きの列車に乗ることができた
旅にトラブルは付き物だが、インドでは早めの行動はかえって事態が悪化するようだ。
しかしここで一件落着といかないのがインドの列車である。
ここから自分の席に到着するまでにさらに苦労することになるのだった。
つづく
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