ハイエナに会いに行く。~UAE~
ムンバイからケニア行の航空券は直行便ではなくUAEを経由する便を購入した。
そのときあえてトランジットの時間が19時間という長い便を予約したのは当然UAEを一日観光することが目的だったからで
決してその待機時間の大半を空港内で過ごそうなどと考えてはいなかった。
しかし、結果的にそうなってしまったのはドバイ空港に着陸するもだと思っていた飛行機がアブダビ空港に着陸してしまったからだ。
なにも航空会社の手違いでアブダビに着陸したのではなく、僕のUAEに対する知識の少なさと計画性のなさに由来するものだから誰も責めることはできない。
UAEを観光する際はアブダビではなくドバイに見どころが多いことは知っていた
しかし、そもそもUAEにはドバイとアブダビに二つ空港があることを知らなかった
だからエティハト航空を使ってもエミレーツ航空を使ってもドバイ空港に着陸するものだと思っていた
そしてエティハト航空を使ってムンバイーUAEーケニアと移動する便を購入した
ここまで最高のトランジット旅行を楽しめる計画だった。
計画が狂い始めたのはムンバイを発つ直前で、よく見ると到着地がアブダビとなっている
何か嫌な予感がし、すぐさまネットで調べてみるとUAEには空港が二つあることに気が付いた
それでもアブダビからドバイまでバスが出ていて2時間ほどで行ける距離にあるというのだ
トランジットの時間はなんといっても19時間ある、往復4時間かかったとしても残り15時間は観光に回せるのだから余裕だろうと安心して飛行機に乗り込んだ
5時間ほどでアブダビに到着し、そこからすぐにドバイに向かうべく両替を済ませ、空港のカウンターでドバイ行のバスは何時に来るのか尋ねた
すると、カウンターの職員は予約はしているかと聞く
僕は当然していないと答える
まさかどの時間も満席で乗れないなどということはないだろう
しかし次の瞬間予想外の返答が返ってきた
「ドバイ行のバスは24時間以上前に予約していないと乗れないことになっている」
僕は頭の中が真っ白になった、幸い僕は英語が得意でないから聴き間違えたのかもしれない
もう一度同じことを聞いた
すると職員はうんざりしたようにまた同じ言葉を繰り返した。
今度はしっかりと内容を聞き取れた。
なぜそのようなルールを作るのか意味が分からなかった。
他にドバイに行く方法はないのか? と僕は尋ねた
タクシーで行くほかはないという
タクシーで行けば片道1万円程度で行ける、帰りはバスに空席があれば乗せてくれるかもしれないと職員は提案してくれたが、1万円を使う余裕などなかったし、帰りの空席も絶対とは言い切れない状態で賭けに出ることは考えられなかった
しかし、アブダビを調べたところ観光できる場所は限られていて、19時間の時間を潰すだけのものがあるとは思えなかった。
一時間ほど悩んだ末、やはりここはおとなしくアブダビを観光して残りの十数時間を空港内で過ごすことにした。
中東の日差しは頭に刺さるほど強烈だった。
そんな中シェイクザイードモスクやヤスモールというショッピングセンターを観光し空港に戻ったのは19時ごろでそこから残りの14時間ただひたすら時間が過ぎるのを待つだけの地獄を味わった。
また自分の計画性のなさが失敗を招いてしまった。
トランジットは緻密な計画がすべてだと思い知らされる一日となった。
つづく
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