なかの

小中学校は共学、高校は女子校出身。経済学部卒業、法科大学院修了、塾講師、大学受験予備校…

なかの

小中学校は共学、高校は女子校出身。経済学部卒業、法科大学院修了、塾講師、大学受験予備校模試添削員、院試研究計画書指導員、司法試験予備試験受験生、専業主婦。 履歴書に記すことができないところにある、いまの自分の「真ん中」をころころと集めていけたらいいな、とおもいます。

最近の記事

いつか

もう二度と自分には訪れないと思っていたことと出会えたとき、 きょうまでの自分に「それでよかったんだよ」「ほんとうによくがんばったね」と、 ぽんぽんとやさしく肩をたたくような言葉が届いた気がして空を見上げた。 あたたまった心に手をあてて、雲をみつめながら、 きょうのこの気持ちをわたしはきっとずっと忘れない、と心のなかで繰り返す。 積み重ねていく日々が増えていくほどに もう二度と戻ることができない場所があることを知ることになる。 それは、とても悲しいことのように思えるけれど、

    • みつけた。

      猪突猛進。自分だけを信じて進むちから。 まだまだ自分の根っこのほうにはあるとは思う。 でも、そんなふうにはもう進めないや…という場面を何度も経験するうちに、 はじめから諦めたり、取り組むことを避けたり、そっちを見ないようにしたりして、 自分の根っこをすやすやと寝かしつけてきた。 結婚して「妻として」の役目と真摯に向き合い精進することは、私にとって自分の根っこを覆い隠す土をかけ続けることと同じだった。と、わりと最近気がついた。 結婚してからずいぶんと長い間、私は自分を地中深く

      • 歩いた日

        長女は冬休みに入ったけれど、部活があるのでいつもどおり早起きをする。 無事に長女を送り出し、今度は急いで自分の身支度を整えて勉強セットをかばんにつめこみ家をでる。ちょっとわくわく。 ほんの少しでもひとり机に向かい、集中して勉強ができる時間をもてることがすごくうれしい。 休日は家族が眠っているあいだにそっと出かけて外でちょこっと勉強するのがいちばんの楽しみなのだ。 バスの時間にちょうど間に合いそう!ほんとうにちょうど。ラッキー。駆け寄ったバス停でバスを待つ。 来ない…足元でずっ

        • かぼちゃスープ

          心がぽかぽかするものが食べたいなぁと 冷蔵庫のなかを思い浮かべ考える。 かぼちゃがあったはず。豆乳もある。 かぼちゃスープの人気レシピを検索すると たまねぎとにんじんをバターで炒めて かぼちゃといっしょに煮込むといいらしい。 よし。決めた。 かぼちゃにラップをかけて電子レンジで あたためているあいだに、 たまねぎをざくざく刻んでいく。 いて…いててて。 涙がとまらなくなってきた。 あ。寝不足でコンタクトがうまく入らなかったから、きょうはめがねをかけていたんだ。 たまねぎ切

          かたつむりの歩み。

          「たゆまざる 歩みおそろし カタツムリ」 長崎県出身の彫刻家、北村西望(きたむらせいぼう)氏の句。 一歩いっぽの歩みは遅くても、時間をかけて続けていれば、いつかかならず成し遂げる日が来るのである。 そう自分に言い聞かせてはや十数年。 周囲のひとは私が司法試験の勉強をまだ続けていることなど想像すらしていない。 確かに。 ロースクールを卒業後、法曹界に嫌気がさして一度も司法試験を受験しなかった。それから十数年のあいだ、そっちの道はきっぱり諦めた、とそんなふうに決めた時期も自分

          かたつむりの歩み。

          さくらももこ展 つないでいくこと

          はいってすぐのところで、さくらももこさんの息子さんの言葉に出会う。 きゅっと心が鳴った。 ほんとうに大切に育てられた方なのだな… とその文面からあたたかさとともに確かに伝わってきた。 さくらももこさんは、 どんなに大変な状態のなかにいても、 大切にしたいひとと丁寧に向き合い 自分が与え得る限りの想いを、 めいいっぱいの時間をかけて 手渡し続けてきた方なのだということが 息子さんの言葉からじんわりと柔らかくにじみでていた。 大切なひととの、 想いのやりとりや いっしょにいる

          さくらももこ展 つないでいくこと