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再現率99%! 小田原のアジフライを開発してみた話

こんにちは、さかな一代の中乃一です。アジフライの激戦区にして、日本一、いや、世界一美味いアジフライが食べられることで知られる、神奈川県小田原市。しかし、このご時世だ、小田原で食べるのは難しい。行ったつもりでローカル人気グルメ、第1弾(シリーズ化するの?)、再現率99%、この小田原のアジフライを皆さんにも届けたい!

そんな、さかな一代の、「アジフライ」開発の秘話をみなさんにお届けしたいと思います。

さかな一代で取り扱う、アジフライ開発の秘話をお届けするのには、まずこちらの会社をご紹介するところから始めましょう。

とと膳社屋_001

埼玉県さいたま市に本社を持つ、株式会社とと膳さん。あれあれ?ちょっと見たことある、って思われる方もいると思います。はいそうです、いろんなところでお目にかかった方もいるでしょう、そう、店舗の厨房でこだわりお惣菜を作って提供することで知られる、とと膳さんです。

アジフライのことは、このお二人にお話しをお聞きするしかない、ということで、中谷社長と、安田取締役のお二人にお話しをお聞きしました。

とと膳中谷社長_5533

とと膳安田役員_5536

中谷 輝彦 代表取締役(上)
安田 裕典 取締役(下)
ワンランク上の魚惣菜ということで、頼れるお二人に開発いただいたアジフライ。とても気さくで、かざらない人柄が素敵な、業界の大先輩たちです。

素材の味につきる、つまり、目利きの大切さが大事!

本来回遊魚であるアジ、ところが小田原のアジは回遊魚ではないのだ。伊豆から大磯にかけての餌の豊富な岩礁地帯に居ついて育つのだそうだ。ぼくは魚は好きですが、魚ではないので、本当のところはわからないですが、厳しい外界を回遊してすごすより、温暖で食べるものに困らないなら「根付きのアジ」もいいかもしれない。まあ、さかな界のニートだ。確かに、他のアジと比べて、よく太り身が厚く、脂も多い。せいごのあたりの身が厚いのがお勧めだ、アジ本来の旨味を十分に感じられるはずだ。

次亜塩素酸ナトリウムで洗わないかわりに徹底した衛生管理

とと膳さんの「アジフライ」と一般的なアジフライとの違いは、もちろん厳選された美味しいアジだ、いうことにつきるのですが、それをただ加工したからと言って、とと膳さんの「アジフライ」にはならない。

アジフライDSC_0030

それは、口に入れた後の「臭み」のちがいに顕著に表れる。揚げたてのアジフライを食べた時のサクッとした食感の後に、みなさんは何を感じるでしょうか? それがアジの旨味であれば、再現率99%認定! でも、普通の冷凍アジフライをご家庭で揚げると、何かが味のじゃまをする、違和感を感じてしまうから、がっかりするんですよね。じゃあ何が違うのでしょうか? 

次亜塩素酸ナトリウムに漬け込まない、という管理

とと膳さんのものづくりでは、その道のプロが、確かな素材で、厳格な工程の管理をしっかりとしているからこそ、それが可能になっているという。それはどういうことか?

魚の加工は、菌を制する闘いでもある。一般的には、一般細菌、大腸菌群をコントロールするのに、次亜塩素酸ナトリウムが使われる。しかし、とと膳さんの加工では、浜に上がった段階での1次加工と冷凍、加工場での検査と商品加工、そして最終検査、出荷と、その工程で、一切次亜塩素酸ナトリウムを使ったさかなの洗浄、漬け込みは行われていません。それでいて、どうして安全な加工品が作れるのか、ますます謎は深まりますね。

思想の違い ~熱処理と加工スピード、そして空間管理~

とと膳さんの思想がまったく違うことに理由がある、汚染の原因を徹底的に排除する加工場設計、空間がコンパクトであるということ。まず、とと膳さんの加工場は、「手作りを基本に置いた設計」の加工場であるという。だから、大きな加工機械が入ったりする大きな空間は必要ない、コンパクトな加工場という思想だ。コンパクトな空間は、大きな施設に比べ、菌に対して、気密性が高くクリーンな空間維持が可能だ。

そして、お魚惣菜としての「熱処理」を行う作業の連携と、真空梱包、急速冷凍など、加工の後始末がものすごくスピーディーである、ということ。多品種対応のため、材料や工程の組み替えは頻繁で、材料そのものや、仕掛品が長時間にわたって途中で留め置かれることがない。

それは、とと膳さんの、多品種な魚惣菜への対応という、仕事の方法の副産物ともいえるが、「小さな手作りのユニット」と考えればわかりやすい。今後もし「数」を必要とすることがあれば、ユニットを複数化して対応するそうだ。

つまりは、とと膳さんの加工方法であれば、浜に上がったとれたての新鮮なアジを、すぐにフライにできる小田原の名店と同じなんです。

とと膳菌検査_5518

本社内の無菌室に置かれた菌検査機器。資格を持った社員が、商品の品質を厳格に管理している。(安田さん)

規模が大きくなってしまうと、管理の上でも次亜塩素酸ナトリウムを使うしかないのではないでしょうか、とは中谷社長のお話。

今日も商品の開発が続く加工場

せっかくですから、安田さんに加工場の中を案内していただきました。ぼくも加工場の中に入るために着替えて、安田さんの後について加工場の中へ。と、その前にエアシャワーと靴底洗浄。人の入口はここだけ、こうしてしっかり管理された、クリーンな加工場の中へ入ります。

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とと膳さんでは、アジフライのアジのように、厳選された素材を、経験豊かなプロの調理人さんが手造りしていますね。おどろいたのは、魚を機械で切っているのではなく、一切れ一切れ「手切り」。こうしてすべて「手作り」の工程にこだわっているところは、大量生産される、他の食品加工場ではなかなか見られない光景かもしれません。

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ちょっと、工程を拝見。画像は、さばの煮つけの加工ですね、通常の醤油と、魚醤をブレンドして、濃すぎない絶妙な味付けに仕上げています。こちらも、さかな一代で取り扱い予定のもの、早く紹介がしたいなぁ。

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こちらは、焼き魚ですね。ご覧のように機械類は、どれも大きくない。ベルトコンベアタイプの焼き機で加工するのと違い、プロの料理人さんが少ないロットを手作りで作っていきます。ロットが大きくならないから、途中の滞留がなくスピーディーに加工がされてきます。

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「沸騰したお湯で1分」 温めれば、すぐ美味しい!

このようにしっかり調理がされたお魚惣菜で、ご家庭まで冷凍でお届けできて、温めれば、すぐに食べられる、料理提供まで包丁いらずな食品群を、とと膳さんと開発しています。忙しい現代社会、毎日へとへとになって帰ってきても、冷凍庫にしっかり考えられたおいしい魚惣菜がストックされていれば、とっても幸せじゃないですか。ご家庭での日常の中に、さかな一代!

みなさんのご家庭での日常の中に、さかな一代! とと膳さんの商品を、さかな一代のショップで購入できるまで、あと少しの予定です。みなさん、ご期待くださいね!

とと膳の中谷社長、安田さん、今回は忙しい中、取材の対応をしていただいて、ありがとうございました。試食させていただいたアジフライ、旨し! とと膳さんの魅力は、とと膳さんのホームページでも紹介されています。とにかく美味しそうな、お惣菜の写真がいっぱいで、ぼくはいつのまにかよだれが。。中谷社長も、安田さんも、お話が面白くて、みなさんの役にたちそうな話のネタが豊富。さかな一代と、とと膳さんとの商品開発コラボ話は、またこちらでも取り上げたいと思いますので、みなさんもお気に入り登録、フォローよろしくお願いしますね!


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