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「個展をする」と決めたそのあと、何をしたか。前編

個展をしようと決めたら、考えることや決めることがたくさんありました。
しかし、個展をしたことがないわたしは右も左も分からず、立ち往生。
そんな過去の自分へ向けて、そしてこれから個展をしようと考えている方へ向けて何かのヒントになればいいなと思い個展開催までの道のりを数回に分けて記事にしていけたらと思います。


  1. テーマを決めた

  2. ギャラリーはどこにしよう?

  3. ギャラリーと契約、開催日程を決める

  4. メインになる作品を描く(前編はここまで)

  5. DMを作る

  6. 自分を紹介できるツールを作っておく

  7. やりたいこと、作りたいもの、アイデアを出していく

  8. 納期や部数、金額をチェック、実際に作っていく



1.テーマを決める

まず一番大切なのは、個展で”何を描きたいか” ”何を伝えたいか”
個展のテーマは、今描いている作品からテーマを引っ張ってきてもいいし、自分が関心のあるジャンルから選んでもいい。「暮らしの道具」や「動物」など具体的なモチーフでもいいし、「暮らすこと」「会話をすること」などニュアンス的なものも良さそう。
個展ではギャラリーの広さにもよりますが、20点前後の作品を描くことになると思うので、それだけ描こうと思うとなかなか大変。(既に描いている作品を展示する場合やお仕事展などは別)
それだけ思い入れがあったり、好きなテーマを選ぶのがいいかもしれません。

今回私が選んだのは「花」。
私が今の街に引っ越してきて感じたことが"花に囲まれて暮らしている"ということ。
保育園への送り迎えの道には横長の鉢植えにクレマチスやスノーポールといったカラフルなお花が置かれていて、近くにある大きな公園では2月になると梅の花が綺麗に咲く、池の周りには桜の並木道があって、秋になると近所のお家から金木犀の香りがする。
それがとても心地よく、気持ちを軽やかに明るくしてくれるということ。
「花」はいつだって私たちの周りにある、その周りというのを「◯-エン-」として「花と◯-ハナトエン-」という個展名にしました。


2.ギャラリーはどうしよう?

個展をするには展示する場所が必要です。
私の場合は既にこのギャラリーで個展がしたい!という希望のギャラリーがあったのでそこまで迷ったりすることはありませんでしたが、初めての場合はギャラリー選びは本当に難しいし未知のものかもしれません。

私が最初に思ったのは"ギャラリーを検索してみてもよくわからない"
ギャラリーにはwebサイトがだいたいあって、料金なども載っている場所もあります。
ですが、webサイトを見てもそのギャラリーが自分にあっているのか、ギャラリーにとっても自分が合っているのかそのイメージが全く湧きませんでした。

"開催されている個展に行ってみる"

ギャラリー探しの旅といいますか、実際に絵が飾ってあるとその空間は雰囲気が変わります。
時間がある場合は、いろんな方の個展を見に行ってみるといいと思います。
私も開催するまでにたくさん個展に行きました。
関西だと、ART HOUSEさんでされていたおかやまたかとしさんの個展やNEW PURE +さんでされていたyamyamさんの個展、GULIGULIさんでされていた高橋昭子さんの個展、京都高島屋でされていた松本祐子さんの個展など。

実際に個展を見に行ってみて、ギャラリーの方や作家さんと話をしてみる。
皆さん気さくに話してくださると思います。
そうやっているうちにギャラリーや個展という存在について、自分の中で理解度を深めていく、イメージが湧いてくる気がしました。


3.ギャラリーと契約、開催日程を決める

展示をする場合、ギャラリーさん作家に声をかけて開催する場合と、作家自身がレンタルして開催する場合があるかと思います。
私が今回個展をさせていただいたGULIGULIさんは、2Fにメインの展示スペースがあるのですが、3Fにも小さめの(といっても結構広い)スペースがあることをHPで知りました。
"ここなら私でも展示ができるかもしれない"そう思って名刺を片手にギャラリーへ。こういう時、めちゃくちゃ緊張するんですよね。"就職活動中の面接みたいだな"と。自分の作品を見せるわけなので、下手したらそれより緊張したかもしれません。
めちゃくちゃ緊張しながら名刺を差し出し、自己紹介をした気がします。
この時持っていけばよかったなと思ったのが"自分がどんな絵を描くのかわかるもの"。
ポートフォリオとまでいかなくても、今自分が描いている作品を数枚まとめたものを持っていくとわかりやすい気がします。
持っていなかったのでその場でInstagramを開いて「こんな雰囲気の絵を描いています」と、あと日本画の画材で描きたいと思っていたのでその趣旨も伝えて。

ギャラリー探しが大変な点は、必ずしも展示をさせてもらえるわけではないことだと思います。
ギャラリーさんの色が必ずあるので、そこに自分が合っていなければOKは出ないかもしれません。間口を広くしているギャラリーさんもあるかと思いますが、人気のギャラリーさんは特に審査が厳しいと思います。
でも自分が展示をしたいと思ったら”まずはアピールしてみる”
自分の思いを伝えてみるのが一番。"どうしてこのギャラリーでしたいのか""どんな展示がしたいのか"。その時の自分が展示をできなくても経験を積んで作品をたくさん描いて、また何年後かに再び尋ねてみるのもいいなぁなんて。
ギャラリーの方とお話してみるというのは本当に大切だと思います。

さて、緊張しまくってプレゼンした後、ギャラリーの方から無事OKをいただきました。
次は日程のご相談。
開催時期はとても重要です。自分が作品を描き上げることができる期間と、今回の場合は全日程作家が在廊するという条件だったので。
私は7〜8月が仕事が少なく制作期間に当てられそうだったので、最初9月でお願いしていました。ちょうど良い日程が空いていたのでそこに入れていただきました。
しかし、8月初旬息子が体調を崩してしまい入院することに。
息子が心配、今後どうなるか見通しもつかない、そして約1ヶ月間付き添い入院することになったので時間的にも個展を開催できなくなり、ギャラリーの方に開催を延期していただくことに。
その後、息子が退院して日常が少しずつ戻ってきてからギャラリーの方と相談させていただき、3月開催となりました。

何があるかわからないといってしまうと何もできないですが、ある程度余裕を持った日程にできるならその方がいいなと感じました。


4.メインになる作品を描く

個展をするからにはたくさんの人に見にきて欲しい。
そのためにはDMやSNSなどで宣伝をする必要があります。
メインになる作品を最初に描くのはその宣伝に使うためです。
私はこの"メインになる作品"を4回描きました。

1回目は個展を決める前、2回目はHPやSNSでの宣伝用に、3回目はDM用に2色で、4回目は制作の最後、開催直前に今描いたらどんな風になるか知りたくて。
どれがお好きですか?
同じモチーフでも使用画材や印刷方法、時期によって違っていて面白いですよね。
最初にメインの作品を描くのってとても難しいんですが、作品をほとんど描き終えてから個展の宣伝を始める場合はさておき、ほとんどの方はまず宣伝用にメインビジュアル的な作品を描いているのではないでしょうか。



ここまで読んでくださってありがとうございます。
長くなってしまったので、今回は前後編に分けてみようかと。
後編はDMを作るところから、このDMというのが私がやりたかった活版印刷。
どんな風に制作したのか、そして日程変更したのでその修正をどうしたのか、
どうぞお楽しみに。次回もこちらでお会いできると嬉しいです。


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