島話2 家島では活きた魚が売っている

家島の人たちは「死んだ魚はネコも食わない」とか「ネコも死んだ魚は跨いで通る」と言う。
つまり、活きた魚を食べるのが当たり前と言うことだ。人間も。猫も。
島の魚屋さんでは、水槽が置いてあり、魚を泳がせている。
お客さんは「これちょうだい」と、気に入った魚を指差して店の人に〆てもらい、新聞に包んで持って帰る。
家でウロコを取るところから調理する。というのが島のフツー。
持って帰る途中に魚がビクビクッと動くこともよくある。
〆てから時間が経たないので、刺身で食べても身がシコシコ。煮付けにしても身がギシギシ。もちろん生臭さもない。
だから、魚が格段に安いわけではない。もちろん費用対効果にすれば安いのだが売値では都会と変わらないものもある。
しかし、この美味しさを島の人たちは知っているので、魚は活きてるのを食べるのが当たり前という感覚で、島内では魚の干物や加工品も少ない。
実際、僕も島に来てから魚好きになった。
そして、食感や臭いが違うので、都会のスーパーの刺身が食べられなくなった。
僕が島に住んでいる理由の半分は、魚が美味しいからだ。
島に定期的に通って、地域活動に参加してくれている人たちも、魚を食べるのが目的の半分になっているように思う。
やみつきだ。

一方、島の人たちは回転寿司も大好きだ。
もちろん島には回転寿司はない。
姫路の回転寿司屋さんに行くとかなりの確率で、島に人と会う。
死んだ魚を食べないと語る人たちが!
理由は単純で、色々な魚が少しずつ食べられるから。
島で魚を1匹丸ごと買うと、単身世帯や高齢の夫婦では何日か同じものを食べることになる。
また、島には旬の魚しかいない(移り変わるものの1〜2ヶ月は同じ魚が泳いでいる)ので、多くの種類から選べるのは魅力的だ。
なんとも贅沢な理由だと思う。

いえしまコンシェルジュ
http://ieshimacon.com

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