島話14 魚屋の魚は大きくなる

島話2 家島では活きた魚が売っている」で書いたように、家島の魚屋さんには水槽があって、そこに、魚を泳がせて売っている。
もちろん、家島近海で獲ってきたものばかりだから、鮭やマグロなんかはいない。
当たり前の話だが、その時期に獲れる旬の魚ばかりだ。
旬の魚”しかいない”とも言えるだろう。

島に移住して、1年を通して魚屋の魚を買ううちに面白いことに気付いた。
「魚屋の魚が大きくなっていく」のである。
売れ残って、段々水槽の中で成長するわけではない。
季節の変化とともに、島の周りで獲れる魚が大きくなっていくのである。

特に顕著なのが、牡蠣やいかなご。
隣の坊勢島では牡蠣の養殖が盛んで、家島でも売られている。
ちなみに、播磨灘の牡蠣はミネラルが豊富で全国有数の質が良い産地だそうで、育成開始後1年ほどで収穫する「1年牡蠣」で熱を加えても縮みが少ないのが特徴ということ!
ぷりぷりで濃厚〜。
11月の終わり頃から、出始めはかなり小さい。
12月の中頃を過ぎたあたりから、手頃な大きさ・値段になってくる。
それがずーっと時期を過ぎて3月にもなると、かなり大きくなって身はぷりぷりを通り越して、ズルンズルン。
これがまた美味しいんだけど。
なので、殻付き牡蠣1kgで、11月には10個以上入って売っていたものが、3月には5個とか6個になる。

いかなごも同じで、旬は春。
3月のはじめはかなり小さく、食感も少ない。
漁獲量も少ないので値段も高い。
それが最盛期の3月中頃になると値段も落ち着き、大きさも食べ頃になる。
3月の終わりになると、体が大きくなり、目や体の食感が強くなり、やや食べづらい。

夏のさよりなんかも同じような感じで大きくなっていく。

都会のスーパーでは、いつ行っても同じぐらいの大きさの品物が同じぐらいの値段で売られていて、それが当たり前のように感じるが、島の魚屋を見ていると、移ろいゆく季節と、魚も生きているんだなということが改めて感じられる。

いえしまコンシェルジュ
http://ieshimacon.com

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