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真似してほしくないフリーライターのなり方③緑のシルクハットー2023.05.31

真似してほしくないフリーライターのなり方②の続きです。

実績は盛ったらいいんだ

大学時代、同期の男の子がこんなことを言っていました。

「アメリカ人は、ちょっとやったことでも10倍で言う。1回テニスしただけでも、もう長いことずっとやってますみたいな顔して言う」

彼がどのアメリカ人のことを言っているのかはわかりませんが、私は「へ〜、そうなんだ」と思いました。また、バーで隣り合ったおじさんに、

「1を10にして言うくらいの度胸がある人は、何やっても大丈夫」

そう言われました。

私が「新聞社の情報欄の執筆をしています」という、事実無根の営業メールを送ったのは、この二人のアドバイスがあったからです。

実際には、自分が書いた原稿がどこに行ったのかわからないままでしたが、「Y氏も○○社の案件と言っていたから、恐らくどこかの新聞だろう」と当たりをつけ、そうしました。

大学時代の先生方、バイト先で会ったビジネスマンなど、なんとなく仕事に繋がりそうな人に端からメールをしていきました。そうして繋がったのがある週刊誌です。

こんなライターは普通いない

繋いでくれたのは、劇場ボランティアで出会ったライターのAさんでした。
Y氏と出会ったのも、もともとはAさんがきっかけだったので、本当に良くしてもらいました。

「今度、編集さんとの打ち合わせがあるから来る?」

はじめての雑誌の打ち合わせ。緊張しながら指定されたカフェに向かうと、そこにはちょっと今まで周りにはいなかったタイプの大人たちが、5人くらいいました。

少なくとも私の身近には、ベロア生地でできたグリーンのシルクハットを被った男性はいなかったので、多少面食らいましたが、「ライターってこういう感じなんだな」と思いました。(ここにいた人たちが、特殊な界隈の専門ライターだということは、結構あとになってから知ります。なので私は長い間これがスタンダードなライター像だと思っていました。)

「新人です」と自己紹介して、作っておいた名刺を渡すと(電話番号が間違っていた)、挨拶もそこそこに打ち合わせがはじまります。

商業誌デビューに喜ぶが…

はじめての打ち合わせは皆さんが何を喋ってるいのかよくわからなかったので終始無言だったと思いますが、トントン拍子に企画が決まり、私もデータマンとして参加させてもらうことになりました。テーマは「劣化する嫁」です。

周りもそんなに結婚していない20歳そこそこの年齢だったので、データを集めるのも一苦労でしたが、友達のお姉さん方に協力してもらい、なんとかネタ集めをすることができました。
また、記事の執筆も一部任され、はじめて全国版の商業誌に自分の原稿と名前が載りました。

といっても、画像のキャプション(説明)40字くらいだったと思います。ただ、これに4時間くらいかかった記憶があります。何を書けばいいかわかりませんでした。

それでも私は商業誌ライターになれたことが嬉しく、特に、どこの馬の骨とも知れない自称フリーライターを使ってくれた編集のBさんには感謝の気持ちでいっぱいでした。

もともと兄貴肌だった編集Bさんは、私の「これからも頑張りますので、どうぞよろしくお願いします!」というメールにやる気を感じてくれたようです。

それから私は編集Bさんの「弟子」として、ライター修行をすることになります。

長いので続きます。次回は「若き女性フリーライター、パワハラ・セクハラに悩む」の巻です。

2016年、歌舞伎町にて。

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