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「何がいいものか」を教わるのもレッスン

大学で、何人かの先生が仰っていたことを肝に銘じています。

「ここにいるみんながプロになれるわけじゃない。
 でも、ハイアマチュアがいないと いいものが遺らない。
 ハイアマチュアを育てようと思って講義をしている」

「自分は世界的な学者にはなれなかった。
 でも、弟子の中で世界的になれた子がいる。
 自分はそれでもよかったと今は思える」

もちろん、自分のレッスンでも、
オーディションやコンクールにがんがん挑戦する生徒さんもいらっしゃいますし、
やりたい曲をがむしゃらに頑張っている生徒さんもいらっしゃいます。

でも、自分が何をするか、と同時に
何がいいものか、を指導者から伝えられるのがレッスンの大切な一面だと思っています。

何がいいものか知らない限り、レッスンの中身は空疎です。
練習とトレーニングは違う。

まず、先生が「何がいいものと考えているか」 を知って、
それを何度もみて、きいて、そこを目指してはじめて指導者のみているものが
わかるんだろう、と思います。

先生を目指すと、先生は超えられない。
先生が目指すものを知って、はじめて先生の言うことが分かり始める。

なるべく、高い壁でいたい、と自分も思っていますが、
自分なしでより良いものを求められるところまで導くのが本当のレッスン。

レッスンにいらしてくださる生徒さんには、
対等にアドバイスや相談や、ざっくばらんな雑談ができるところまで到達して欲しい。

これは、最近たくさんの学びがあったドヴォルジャークのコンチェルトのYoutubeです。
迷いが生じたときに、帰ってこられる「いいもの」を知るのは本当に大切だと考えています。


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