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日本とカンボジアで喜びを稼ぎ続ける男、一般社団法人Kisso(NPO法人earth tree)代表理事 加藤大地

 本物のリーダーは
 そこにいるだけでいい
 福島正伸

「たいちょうー! お久しぶりです。近々ランチでもと思って連絡しましたー」友人カデ(加藤大地)からだった。実は、横浜に引っ越す前、カデの実家がうちのマンションのすぐ近くで、駅に向かって歩いていたら、自転車に乗るカデ&ぐりこ夫妻とバッタリ会ったこともあった。だから近所でランチしようと思ったのだろう。横浜に引っ越したことを告げ、しばらく経つと、
「横浜方面に行く予定が出来たので、午前10時〜12時前ぐらいまでで会えそうだったりしますか?」
カデが指定した日の前後の午前中はvoicyラジオZOOM収録の予定が入っていたが、奇跡的にその日は空いていた。なんだか縁を感じた。2年2か月ぶりに日本に一時帰国中のカデと横浜元町のタリーズコーヒーで久しぶりのリアル収録。息遣いまで聞こえてきそうな臨場感あふれるトークができた。やっぱZOOMよりリアルが、いい。

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そんなカデとのvoicyラジオ対談前編1回10分、全6回、フォローして聴いてほしい

2013年4月、かでとは、「地球探検隊・旅するカフェバー」で開催したイベント、旅人 和也、ヒポポタマスJこと純子(蒲谷純子さん)の写真展&トークライブで出会った。もう9年になる。

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夢だった「旅するカフェバー」は5年でクローズしたが後悔はない。俺自身、多くの素敵な人と繋がれて、この空間から多くの出会いが生まれたからだ。「人と人が出会う場をつくること、人と人を繋げること」それが旅行業、飲食業の事業目的だったのだ。隊員まなぶも、「旅するカフェバー」で出会った一人だ。妻が亡くなって父子家庭になり長女・未空(みく)が独立し、次女・七海(なつみ)と2人暮らしをしていた2018年6月、まなぶが、次女の退院祝いを兼ねて、カデと交歓会をセッティングしてくれたこともあった。旅行業として22年の歴史に幕を閉じる数カ月前だったのにも関わらず、楽しいひと時を過ごせたのも良い思い出だ。 

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「かで」というニックネームは小学2年生の時からだと初めて知った。幼稚園時代、坊ちゃん刈りでイジメられてたのに、小学2年生になってスポーツ刈りにしたらリーダー的存在になったらしい。小学4年生で中国から転入してきた同級生がイジメられると、自らの経験を元に、「髪型が悪い!スポーツ刈りにしたほうがいい。毎日腹筋したらイジメられなくなるから」とアドバイスすると、かでは、「ラオウ」、転入生は「ケンシロウ」と呼ばれるようになった。この2人の関係は中学3年生まで続いた。小学生時代からみんなを引っ張るリーダーというより、かでは、フラットにみんなで楽しくやるのが好きなリーダーだった。今朝、息子を保育園に送る時に聴いていたJ-Waveで「リーダー論」が語られていた。小学生の頃からガキ大将だったJリーグ野々村芳和チェアマンが29歳の頃、「どんな選手になりたいか?」という質問に「自分は1回もボールに触れずにチームを勝たせる選手になりたい」と答えていたらしい。みんなを良く見て、それぞれの良いところを引き出すタイプのリーダーだったのだと思う。かでの考えるリーダー像も一緒なのかなと思った。「風の時代」になって読まれている俺の書いたリーダー論にも近い 笑。

古賀稔彦選手に憧れ柔道をやっていた中学時代。そして高校からは勉強をそっちのけにしてアマチュアレスリングに夢中になった。全国3位、日本代表に選ばれるほど優秀な成績を収めた。大学からの推薦もあったが2年間、整体師の専門学校へ通った。卒業後は7年半、整形外科のリハビリをした。最初は技術も知識もなかったが患者さんのリアクションで奮起、天職に育て上げた。同時に20代前半は金髪に染め上げパンクロックバンドを組んで「30代以上の大人は信じない」と反発していた。ところが25歳の時、腕に覚えのあったカデは兄貴的存在のトラック運転手にボコボコにされて目覚めた。初めて本気で自分と向き合ってくれた人のおかげで、大人を信じられるようになったのだ。

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ほぼ同時に2人の友達に高橋歩の本を紹介され興味を持った。TSUTAYAにあった高橋歩コーナーに行くと、段ボールには「あなたの心の中のトムソーヤは元気かい!?」と書いてあった。歩の本と出合い、「足踏みしてても靴底は減るぜ!」「必要なのは勇気じゃなくて覚悟」そんな名言に心躍った。そして、「地球探検隊」も紹介されていた本、「WORLD JOURNEY 世界一周しちゃえば?」を読んで、「世界一周が100万円でできる!」と知り、夢だった世界一周が身近なものになった。たった一人との出会い、たった一冊の本との出合いで人生は変わる!

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貯金と支出を計算すると、予算の足りなかった彼は、朝セブンイレブンでバイトを始めた。バイト先のオーナーの娘さんからアドバイスを受けた。娘さんはバックパッカーだったからだ。「初めての一人旅だったら、人に騙されないように1回どこかへ行ってから世界一周を始めた方がいい」。そこで、かでは考えた。「旅に必要なものはお金とサバイバル能力だ!」。キャンプ道具を積んで、国内の旅、東京から鹿児島までチャリ旅をすると決めた。ところが最初の頃は漫喫やスーパー銭湯に宿泊する軟弱な旅人だった。初めて海沿いにテントを張ると波の音が煩くて眠れない始末。山口県辺りから漫喫、スーパー銭湯がなくなって必然的にテント泊となると俄然、旅が楽しくなった。自分で決めたことを実行し、家族の待つ鹿児島の爺ちゃん宅でゴールテープを切り達成感を味わった。

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27歳のカデが世界一周に行くため、初めて選んだ国はカンボジアだった。それがカデの運命を大きく変えることになるとは人生、先の事はわからない。空港に降りた瞬間、トゥクトゥクが行き交う喧噪、町に向かう途中、裸足で歩く人を見て、「地球のおもしろさ!」の入口を感じてワクワクした。やっぱ必要なのは「考えるな、感じろ!」だ。ところがワクワクしたのは30分ほど。プノンペンは物騒で夜一人で街に出られない。3日でホームシックがピークになるのも初めての1人旅「あるある」だ。かでは寂しくて泣いた。

プノンペンからシェムリアップへ向かう途中、トンレサップ湖で暮らす多くの水上生活者を見て驚いたが、日本人宿「タケオゲストハウス」に到着すると、日本語が話せる環境にリラックスできた。旅の後半、ようやく旅が楽しくなってきて、バイクタクシーのドライバーたちと飲んで騒いだ。ところが翌日、ドライバーの一人が急死。しかも、亡くなったドライバーは新婚さんでお腹には赤ちゃんがいたという。体調不良でも、いくつもの仕事をしなければ生活できない。お金がかかるからと病院にも行けない現実を目の当たりにしたのだ。自分に何ができるかわからないが、この現実を何とか変えたい。「この国には、すぐに帰ってこないと・・・」そう心に誓った。

かでが「海外で何かしたいと思ってた」と嫁さんから言われて「初耳」とビックリした。言葉にするって大事だ。夫婦でも言葉にしないと伝わらないことがある。ゲストハウスでジャーナリストと出会い、学校を3校つくり孤児院と関わっている伊藤さんと繋がった。行動すると偶然が起こる。旅は出会いに満ちている。伊藤さんから当時の金額で2教室の学校を30万円でつくれると聞いた。でも、「学校ってどうやってつくるんだろう?」彼は走りながら考えるタイプだ。「100人に夢を語れば夢は叶う」を実践していくカデ。最初の頃、友人・知人から突っ込まれても何も答えられない。学校をつくった経験者である伊藤さんに素直に聞いてアドバイスを受けた。

なぜ夢が叶うのか?「何のためにやるのか?」「どうやってやっていくのか?」自分の中で夢を実現する理由が明確になっていくからだと思う。

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いよいよ学校建設編となる後編は7月中旬放送予定。次回はカンボジアとZOOMで繋げて1回10分、全6回収録した。前に進むほど困難な壁が目の前に立ちふさがる。それでも多くの仲間の協力を得て一つの夢が実現し、また新たな夢を引き寄せ実現していくストーリーは痛快だ。夫婦2人で撒いた種は、みんなで育まれ、みんなの夢になっていく。子どもたちだけでなく、みんなのために創られていく学校建設編の後編、乞うご期待!

 世界とは一冊の本であり、
 旅にでない者は、同じ頁ばかり読んでいるのだ。
  アウグスティヌス(古代ローマのキリスト教神学者)


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