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初めて母になった日。

こんにちは。中村です。
実は今日は私の55回目の誕生日です。
さすがに55歳となると手放しで喜ぶ歳ではないのですが、それでもやっぱり声を掛けられると嬉しいものです。

私には40歳手前くらいからいつも思うようになったことがあります。
それは、長男である自分の誕生日は、母が初めて「母になった日」でもあるということ。
そのことに気付いてから、私は自分の誕生日になると母に「おめでとう」と直接伝えるようになりました。花を添えて。

思えば母はいつも無条件の愛情を注いでくれました。気がつけばいつも応援してくれてる。楽しい時も苦しい時も。
自分のことはそっちのけ。妹と私のために、いつも自分は後回しの母でした。

私はそんな母にどれだけのことをしても恩返しがしきれないくらいに感謝しています。だから自分の誕生日は自分のものではなく、母に感謝する日。
そう思い始めてからもう15年以上経ちます。


自分の誕生日に母に「おめでとう」ということ。
これは言い換えれば「今日という日を違う見方で見た」ということでもあります。

この「自分のことを違う見方で見る」ということって、私は仕事でよくやってるなと思うのです。

例えば、お客さまの立場で考えるとか。
例えば、お客さまのお客さまの立場で考えてみるとか。
例えば、スタッフの立場で考えてみるとか。
例えば、業者さんの立場で考えてみるとか。

これってよく言われることだけど、本当にそれができる人というのはそれほど多くありません。みんなできると思っているけど、実はできていないことが多い。

この能力は「客観的考察力」といいまして、一種の想像力です。
自分のことは「主観的」に考えるから誰でもわかる。
でも自分以外の人の気持ちになって考えると「客観性」が必要になります。
ここが難しいのです。自分のことを客観的に見れる人というのは本当に少ないのです。

例えば、桃太郎の話は誰でも知っているでしょう。
桃太郎が猿やキジらを連れて鬼退治する物語です。
童話を読む時、自分を猿やキジに置き換えて読む人は少ないでしょう。みんな桃太郎目線でその物語を進めていきます。

ではその桃太郎の物語を「鬼を主人公にして考えろ」と言われたらどうでしょう。物語を組み立てられますか?
それが逆説の想像力。つまり客観的考察力です。

ちなみに私は何年も前にそれに挑戦しました。
私の想像は、鬼にも子供や妻がいて家族団欒があり、笑顔の絶えない家庭。その団欒を壊す敵、桃太郎軍団が突然襲いかかってきた。子供を守るために戦う鬼。。。ざっというとこんな感じです^^;

さて、自分の商品やサービスを販売するときに、売り手である自分のエゴばかりになってしまう人はこの客観的考察力を鍛える必要があります。
「この商品は絶対にいいですよ」「うちの施設は全国一です」「東大行くなら◯◯塾!」
これらはすべて自慢型エゴです。主観を押し切ろうとする方法ですね。

今の時代、これでは売れません。

私がいつも言うことですが、
「売れる」という結果は、誰かがそれを「買う」という行動の結果です。
誰かが「買う」ことをしないと永遠に0な訳です。
だから主観は関係ありません。自慢は必要ありません。

それを「買ってくれる人」が何を望んでいるのか。
それを「買ってくれる人」はどうなりたいのか。
それを「買ってくれる人」は何がしたいのか。
それを「買ってくれる人」は何を助けて欲しいと思っているのか。

それを考えることが大切です。
そしてそれを考えるということは、
それを買ってくれるであろう人の気持ちを、少なくとも「想像」できなければ売れるようにはならないということです。


私は自分の誕生日を母に感謝する日と決めました。
母の立場になって考えた時に、55年前のその日
誰よりも喜んでくれたのは母だったと思います。
そしてその日を私以上に大切な思い出として記憶しているのは母だと気付いたから。

誰でも自分以外の人の気持ちになることはできる。
やさしさとは、そういう想像する習慣から
生まれるものなのではないかと、私は思うわけです。


今日は誕生日ですので、あとは残り少ない誕生日を楽しむとします。
今日はこのへんで。またお会いしましょう。

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