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コロナ時代の今こそ、飲食店が「 通販 」をはじめるべき理由。

飲食店経営の今

新型コロナウィルスの蔓延によって人々の生活が大きく変わりました。

その中でも飲食店を経営する皆さんは、最もその影響を受けた業種といえます。私には飲食企業のクライアント様が多くいますので決して他人事ではありません。

飲食店はお客様が来店してくれて初めて「ビジネス上の取引」が成り立つビジネススタイルだから、密を避ける習慣や それを促す政府の指示や風潮までもが直接業績(来客数の低下)に影響を及ぼします。

人は食事をしないと生きていけません。食事をするシーンはさまざまですが、毎日どこかで何かを食べることによって人としての営みを維持していけるのです。


多様化する食事シーン
人が食事するシーンから考えてみる


人が食事をするシーンを考えてみましょう。

皆さんの店舗に行って食事をする「外食」。
自宅で家族と一緒に食べる食事。
一人暮らしの方は自炊もあるでしょう。
お昼なんかは「お弁当」を持参して食べることも、
コンビニやホカ弁で買って公園やオフィスで食べることもありますね。

外食だけをみても、1時間しかない昼休憩にさっと食べるランチもあれば、
仕事終わりに仲間と語らいながらの居酒屋。
彼女とのデートでのディナー。
勉強しながらのカフェなど、利用動機は多様化しています。

それら多様化した外食ニーズが今、コロナによって奪われています。
飲食店は大変ですが、外食を楽しむ機会を剥奪されたお客様も同様に残念でならないのです。

新しい飲食店のあり方。

「新しい飲食店の在り方」が問われています。
コロナによって飲食店を利用するシーンが減ったことで、飲食店は客数と売上を削ぎ取られました。

お客様が来ない状況がこれ以上続いたら総倒れで、赤字でも耐えられるほどの資金力のある大手チェーンしか残れなくなります。
国の支援いかんによってになりますが、おそらく個店レベルでは太刀打ちできない状態になってしまうでしょう。

先の見えない厳しい日が今も続きますが、
これはもう「新しい飲食店の在り方」を問われているのではないかと私は思うわけです。


コロナによって大きくなったニーズを掴む。

お客様がお店に来店できないのであれば、
ご自宅までお届けして店の料理を楽しんでいただく。

コロナ禍においては「自宅で食事をする」頻度が35%以上も多くなったというアンケート結果もあります。コロナは憎いけど、そのコロナによって売上を左右されるのではなく、それによって「多くなったニーズ」を掴みにいくのです。

デリバリーとかテイクアウトもそのひとつですし、
私がおすすめしているのは「 通販 」。通販は売上のポテンシャルが高くてチャレンジしてみるには価値が高いと思います。


すでに「食の通販 」には大きなマーケットが存在しています。
だから挑戦していく事業ボリュームとしては心配ありません。

問題は あなたの店が売れるかどうか ですね。
その点において少し触れておきましょう。


間違いだらけの飲食店の通販  ~  集客・経営編

まず言えることは、通販には店舗がありませんのでネット上のバーチャルショップと分類されます。
つまり「立地」がないということです。

これは何を意味するかというと、販促やPRにインターネット・マーケティングの要素が強いということです。見込み客も店舗の近く半径5km圏内にいる人ではなく、基本的に全国と広い分、競合店も地域だけではなく全国ということになります。

この点を理解せずに通販を始めると、まず99.99%失敗します。

実際にリアル店を出店するよりも初期投資が大幅に少なく済む分、
ネットショップが存在することを知らしめるために必要なノウハウを勉強しなければなりません。

よく通販をやっていない人が「通販は広告費が高いと聞くぞ」と言われますが、それは経費区分の中の「宣伝広告費」が実店舗と比べて高いというだけで、全体的な営業利益率は通販の方が少し高いと言っていいでしょう。
つまり、収益性は通販の方が高いのです。

そして売上のポテンシャルは圧倒的に通販の方が高いと言えます。
これは集客に成功した場合ではありますが、食の通販で月商億超えショップはザラにあります。

実店舗を経営している人の間違いは、
1.実店舗と同じ経費バランスで見てしまうところ
2.実店舗のように販促・訴求に力を入れないところ
3.費用対効果で見ないところ


インターネット・マーケティングを勉強すると言いましたが、それほど細かい知識を得る必要はありません。ただ言えることは、ネットで集客できている多くの人や企業が必ず通る道だということです。

飲食店経営者がかつて「QSCA」や「コストコントロール」や「マネジメント」を学んだように、現代のビジネスの中で「インターネット・マーケティング」を学ぶべきだと私は思っています。
そうすることで飲食店も他の産業に遅れることなく、時代によって進化していく産業へと変貌を遂げるのです。

間違いだらけの飲食店の通販  ~  製造・物流編

続いて別の切り口から間違いやすい部分をお伝えしましょう。

通販事業の場合、飲食店のようにツーオーダー(オーダーが入ってから調理)という流れから「生産・製造する」という流れに変わります。
その部分の工程管理の難しさと、先ほどから言っている「 通販 」の仕掛けはウェブマーケティング領域になるので、店舗販促とはやり方やノウハウがすべて違ってきます。そこを押さえておく必要があるでしょう。

ただ、工程管理さえできてしまったらツーオーダーよりも圧倒的に効率的で楽です。原価も抑えやすくなるでしょう。当然人件費も単純化しやすいので、一般的には人件費率も下がります。
私のクライアントは、店舗人件費率29%が製造人件費率15.4%まで下がりました。そのような事例も効率化を推進しやすい効果でもあります。


飲食店が「 通販 」で成功をする鍵は「付加価値型の専門店」

「何年か前にちょっと楽天で 通販 をやってみたけど、全く売れなくて撤退した。」

「広告費が高くて儲からないイメージが強い」

そんな知人の声を聞いたことがあるかもしれません。

もしかしたらあなた自身が実際に「挫折」した経験者かもしれませんね。

通販を実店舗と同じやり方でやろうとすると確実にそうなります。
それほどまでに「ノウハウが違う」。何度も言いますが、これはもうウェブマーケティングなのです。


例えば、街のケーキ屋さんがオリジナルチョコの「ショコラトリー」として 通販 業態を立ち上げるとか。

居酒屋さんが”締め”で人気のどんぶりメニューを冷凍かレトルトにして「手作り」をフックにして 通販 専門店化するとか。

今の店舗そのままで売るのではなく、 通販向けの新業態化して仕掛けることができます。

日本の 通販 は、Amazon楽天、yahooらの大型モールが先導して発展していきました。
業態は2極化していて、アイテム多数の百貨店型ショップと、もうひとつは専門店型に分類されます。

アイテム多数の百貨店型というのは、いろんな商品を扱うショップですね。
例えば「缶詰」というコンセプトの中で数百種類の商品を扱う店などを言います。ある程度資金力がないとできない業態ですが、売上は相当上げられる可能性があります。主に低価格路線が多いと思います。

もうひとつの「専門店型」というのは、
チョコならチョコに特化させるし、餃子なら餃子。肉まんなら肉まんといったように、「付加価値のある専門店」として販売する業態。
どこにでもあるような商品ではなくてオリジナリティが高い商品を扱う特徴があります。

この タマちゃんショップ は、もともと付加価値型で通販ブレークして、今やアイテム数で言えば百貨店型になっていますが、完全にオリジナリティに特化しています。
価格も低価格を売りにせず、こだわりを見せています。
この店、とんでもなく売れています。

飲食店が取り組むべき通販業態は、間違いなく後者「付加価値型の専門店」ですね。


コロナで辛いのは飲食店だけじゃない。


コロナ禍において飲食店は大きなダメージを受けていますが、お客様だって好きな店で外食できない辛さがあります。

「来て欲しいのに誰も来ない」「行きたいのに行けない」

この2つの感情を結びつけることこそ、コロナ禍の今 飲食店がやるべきことなのではないでしょうか。

「誰も来れないのなら、届けよう」

「外出できないのなら、届けてもらおう」

ここに飲食店を救う大きな鍵があると思います。


通販 モールの落とし穴


そうは言ってもビジネスですから、成果は必要だし重要です。
特に 通販 はウェブマーケティングの要素が高いため、我流でやみくもに出店しても成果は出ません。

立地予見の無い通販ショップには「偶然売れる」というものは存在しません。

実際の飲食店には「立地」がありますので、そこを通る人の数や近くにある施設、幹線道路の状況などによって売上は左右されますが、通販ショップにはそれがありません。

楽天やAmazonなどの「 通販 モール」と言われるプラットフォームには多くの人が集まってきます。そこに人を集めるのは楽天などの主催企業の役割なので、店側はそこに集まった人に対して商品を売れる。というメリットがあります。

しかしそこが大きな落とし穴になります。

まず言えることですが、楽天などのモールでお買い物をする人はポイント利用や安さ・ボリュームを求める人が圧倒的に多いということと、打ち出すための「モール内広告」がとても高額だという事実です。

つまり、価格が高くて価値も高い付加価値型ショップはそこでは売れにくいということですね。

それは大手冷凍食品メーカーが販売する安くて普通の商品ばかりが棚に並んでいるからです。

980円の同様商品が並ぶ棚に、飲食店の付加価値商品が2,500円で並んでいても

その商品の「特別さ」よりも「高い」という事実しか見られないからですね。

昔「100円のコーラを1,000円で売る方法」とかいう本が売れましたけど、

その中にある「価格の意味」を知ろうとしない客層が多いのが 通販 モールだということです。


独自EC戦略のススメ

だから私は「独自EC戦略」という方法を推奨しています。
モールに出店するのではなく、独自の 通販 ショップを構築して仕掛けていく方法です。

集客はモールのように誰かがやってくれるわけではありません。
ウェブマーケティングの手法を使って確実に顧客を増やしていける戦略です。

しかしその商品に興味のある人をマグネティングしてリスト化していきながら、長期的に「売れる仕組み」を構築できます。

不安な部分は私たちもサポートできますし、ノウハウの提供もサービスとして行っていますし、すべて私たちが仕掛けていくプロデュースサービスもあります。

もちろん身近にウェブマーケティングができる方に教えてもらうのもいいでしょう。

一番大事なことは、飲食店が未来への一歩を踏み出すことです。
コロナは無かったことにはならないのですから。


さいごに。  


このコロナ時代。まだまだ苦難の月日は続きそうです。
飲食店の未来を照らす。そんな存在になれたらいいなと、最近は毎日思っています。
飲食店経営の皆さん、頑張ってください!


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