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オンライン講座 | デビュー前に知っておくべきこと。

激動の2021年が終わって、次の未来を創る2022年が始まって1ヶ月以上が経ちました。
ここ数年、いやこの今だって新型コロナウィルスが猛威を震い、世の中の「人の行動」が大きく変わった。そしてそれは経済活動も例外ではない。

思えば、随分前からこうなると予測されていたことが コロナによって一気に加速した状況のようにも見える。結局早かれ遅かれ、ビジネスはオンライン完結型へと進んでいくのだ。それは誰しも止めることはできない。

それはつまり、これからのビジネスは「オンライン」を無視しては成り立たなくなるということだ。特に「無形ビジネス」である情報やノウハウを商品にした産業においてはすでにその方向に大きく動いている。
店舗ビジネスだってそうだ。立地やサービス力に胡座をかいていると知らないうちに客数は目減りしていく。もうすでに少しずつゆっくりと減少傾向にあるはずだ。それが最後まで止まらなくなるのは、オンラインに力を入れない店舗の行く末の姿だ。


オンライン講座ビジネスを薦める理由。

私は事業戦略家だから、顧客のビジネスが「ビジネスモデルとして」成立していくように組み立てるのが仕事です。顧客の規模によっていろんな戦略があるのだけど、その中で特にフリーランサーやひとり社長に薦めているのが「オンライン講座ビジネス」ということになります。

事業をしている人ではない、例えば主婦とか経験豊富なリタイヤ世代の人にもオンライン講座ビジネスを薦めています。
理由は明確で、在庫も不要だし顧客の予定に時間をコントロールされることもなく、何よりも投資が少なくて やり方さえ間違わなければ費用対効果が高い現代型の知的財産ビジネスだから。
そして、何もビジネス経験だけでなく、生活していく中で得た知識や経験でさえも「それを知りたい」という人に届けられる。それが「オンライン講座ビジネス」だと経験からも実績からもそう思うからです。

「オンライン講座ビジネス」については以前、こんな記事を書いて説明しているので、興味のある方は併せてご覧ください。


オンライン講座を販売して成功する人とは。

「オンライン講座」は「講座」だから、その講師は何か特別な経験を持っているか、それとも特別なスキルを持っているか、または誰も知らないユニークな手法で講座展開している人だと思われがちだけど、実際はそうではない。
私の知っている「オンライン講座の成功者」は至って普通の人です。
地方の元高校教師もいるし、子育て中のママだっている。経営者も中にはいるが、ほとんど数名規模の零細企業の社長です。

そもそも、中小企業の社長が オンライン講座ビジネス なんて面倒なことに目を付けないでしょう。オンラインビジネスには関心があると思うけど、講座よりもオンラインで自社の商品がより売れるようにしたいと考えているはずです。

そんな中で、私の身近にいる「オンライン講座ビジネス」で成功している人を見てみると、その人たちが「普通の人」であることを除けば ある5つの特性が見えてきます。


オンライン講座ビジネス成功者の5つの特性

  1. 自分を「何の専門家」としてリリースするのかを設計している

  2. 1本目のオンライン講座だけを考えるのではなく、
    未来総合的な講座設計(講座のプラン)を先に考えている

  3. 目的に応じて何のシステムやツールを使うのかという「講座のインフラ」を考えている

  4. アップセル、ダウンセル、無料オファーを事前に設計している

  5. ベネフィット(買ってくれた人のメリット)が常に中心にある



オンライン講座は「動画講座」だから、Youtubeでよく見るハウツー動画と同じように考えがちですが、目的観がまったく違います。
Youtubeはその内容に興味を持った人に閲覧・視聴してもらうことを目的としていますが、「オンライン講座」は「講座」なので、その人が抱えている課題や問題を「カリキュラムによって解決すること」が目的です。

例えば、「糖質制限した美味しい料理のレシピ」というYoutube動画があるとしましょう。ダイエット中の人や糖尿病を患っているご主人をお持ちの奥様には興味深い内容です。その動画には使用する食材のポーションや料理のレシピが表示されます。そして手順通りに料理をしていく動画が流れ、出来上がる。とても美味しそうでいい動画です。

その動画はレシピ動画で、目的はレシピを公開することです。レシピ本の動画版ですね。

何度も言いますが「オンライン講座」は 文字通り「講座」です。
何ができるようになることを目的としているのか。どんな問題を解決できるカリキュラムなのか。それが講座としてのキモになります。

先ほどの「糖質制限」の例でいうと、
例えば「糖質を◯◯gに抑えた献立の作り方」という講座も考えられます。
直接的なレシピではなく、そのレシピを考案する方法を教える。それが講座であり、カリキュラムです。

つまり、魚を与えるのがyoutube。
魚の捕り方を教えるのが「オンライン講座」というわけです。

言い方を変えると、
情報を提供するのが無料動画。
カリキュラム化してそれを実践できるようにするのが「オンライン講座」。

それらは同じように見えても、価値と目的が大きく異なるのです。


それでは話を元に戻します。
私の知る「オンライン講座ビジネス成功者」の5つの特性について解説していきましょう。


① 自分を「何の専門家」としてリリースするのか。

これは過去の記事にも幾度となく書いてきましたが、人は「専門性が見えない人」にお金を支払うことをしないものです。
専門家といっても何も「お偉い人」のことではありません。「誰よりも実績豊富なオピニオンリーダー」のことでもありません。
野菜を肉屋から買うのを躊躇するように、何かを買うときに「誰から買うか」という視点は思っている以上に強いものです。
つまりあなたが「何屋なのか」が重要なのです。

もしあなたが「keynoteプレゼンの専門知識」があれば、評価されるプレゼン資料作成ノウハウをシリーズ化してオンライン講座として売り出すことができるでしょう。
でもいくら好きで知識が豊富であったとしても趣味である「ドローン空撮の実践講座」は「?」となってしまうのです。しかもそれだけではなく、せっかくの「keynoteの専門性」までもがブレてしまう可能性もあります。

オンライン講座における「専門性」というのは、本業と異なっていてもいいのです。オンライン講座における専門性を「専門家」としてリリースする意識が必要です。それを事前に設計するのです。自分は「何の専門家」としてオンライン講座というジャンルにデビューするのか。
成功している人は皆、その戦略工程にしっかりと時間と知恵を使った人たちです。


② 1本目のオンライン講座だけを考えるのではなく、
     未来総合的な講座設計(講座のプラン)を先に考えている

「0から1」にするためには初動のパワーがかかります。
初めてのことだし、不慣れでもある。そして最初の1本目は力も入ります。
一番自信のある内容の講座を作ろうとするし、カリキュラムや編集にも時間をかけるでしょう。

それは誰もが同じです。私は力が入っていいと思うし、時間をかけてもいい。最初の一歩とはそういうものです。

しかし戦略時点の話でいうと少し違ってきます。
まず最初の1本目のことだけを考え過ぎた人は2本目が出せません。エネルギーと知識をその1本に注ぎ過ぎてしまうからです。そうして売れない1つの講座だけを販売して終わってしまう人も 実はとても多いのです。

「成功した人」というのは、文字通り オンライン講座で収益化に成功した人のことを言うのですが、私も含めてその人たちは「1本しか講座を販売していない人が売れ続けることは難しい」ということを知っています。
つまり、オンライン講座ビジネスは「講座の講師」としての認知性が重要だということです。
シングルを1曲だけ出して売れ続けるアーチストがいないことと同じです。0から1になったらそれは「継続してリリースする必要性」があるということを知るべきです。

だから0のうちに「講座のリリースプラン(ローンチ設計)」が必要なわけです。
自分の提供できるハウツーを書き出して、リリースする講座を考え、そして順番やリリース予定までも設計する必要があるということです。
私はオンライン講座の講師になりたいという相談者にいつもこう言っています。
「年間で10本出せますか?」と。

それが可能であれば、私がその戦略をお手伝いすることができますとお答えしています。内容はともかく、このビジネスで必要な収益を得ている人は私のその質問に「Yes」と答えた人ばかりです。


③ 使用するシステムやツール。「講座のインフラ」を考えている

「オンライン講座」が「オンライン」である以上、どんなシステムやツールを使ってそれを販売していくのかという点も事前に考えておかねばならない要件です。

オンラインビジネスにおいて、このシステム選択は想像以上に重要です。
なぜかというと、すべてを1つのツールで完結させることが難しいからです。複数のシステムやツールを結びつけて「オンライン販売のインフラ整備」をしなくてはなりません。
そして ほとんどの「うまくいかない人」にはこのインフラ整備を安易に適当に考えてしまうという共通点があるのです。

いくら優れた講座を持っていても「オンライン販売のインフラ」が整っていなければ「チャンスロス(機会損失)」や人の手(人的作業)が発生してしまうことは想像できるでしょう。
つまり「オンライン販売のインフラ」とは、あなたのオンライン講座を購入者がいつでも購入・決済することを可能にし、自動的に講座を購入者に届け、そして別の講座やアップセルやダウンセル商品へとつなげるオートメーションシステムを構築することです。

「構築する」といっても昔のように高額費用をかけて自分で作る必要はない。すでにある優れたシステムを使えばいいのです。
現代にはとても優れた既存のシステムがあり、それらのシステムが比較的安価で使えるようになっています。

何を使うべきかというのは後に書いていきますが、ここではまず「オンラインで販売するためには、少なくとも「講座の販売(ローンチ)〜購入・決済〜会員登録・管理〜アップセル訴求」が自動的に行われるシステムを整える必要があるということだけ、頭に入れておいてください。

どこで講座を販売するか。という選択

まずは「どこでオンライン講座を販売するか」という選択がありますね。
まず選択しないといけないこととして、

  1. 「プラットフォーム」で販売するか、

  2. 「独自のサイト」で販売するか。

という「大きく分けて2点」の選択肢があります。

プラットフォームとは、ネット通販でいうと”モール”ですね。楽天市場やYahooショッピングなどを一般的にECモールと呼びますが、オンライン講座でいうと「Udemy(ユーデミー)」などが「プラットフォーム」です。
Udemyはオンライン講座の百貨店のようなもの。それはそれはいろんなジャンルのオンライン講座が販売されています。
楽天市場と違い、ローンチするだけでは費用が掛かりません。誰でも無料で自分の講座をリリースできます。ただし売れたら複雑な仕組みでの収益分配(平均して約20〜60%前後が引かれるようです)となり、収益性は高くありません。まあ成果報酬型のシステム利用料+決済手数料と捉えるしかないでしょう。

独自のサイトで販売するという方法もあります。モールと違ってプロモーションや集客も自分でしていく必要がありますが、収益性を考えるとモールとは比較にならないくらいのメリットがあります。
ただしこの「独自のサイトで販売」とは”自分のホームページで宣伝し販売する”ということではありません。そこにはオンライン販売のインフラ整備が必要だからです。


私が Teachable を薦める理由。

独自のサイトでオンライン講座を販売できる既存のシステムはいくつかありますが、私は圧倒的に Teachable をお薦めしています。
Teachable(ティーチャブル)は、自分専用のオンラインスクールを作ることができる海外のサービスです。日本ではTeachableのように優れた機能を持つサービスは今のところ存在しません。

Teachable の特徴のひとつとして言えることは、受講者(講座の購入者)がその講座を閲覧しやすい環境が簡単につくれるという「強み」です。

また、決済やアップセルを販売するときなども効率よく絶大な効果を発揮します。海外のメール配信サービスで有名なMailChimp(メールチンプ)やConvertKit(コンバートキット)等と連携できることも強みです。
MailCimpは無料で2,000名までの顧客情報を登録することができるメールマーケティングツールで、世界シェア6割というとても優れたサービスです。
私も使っていますが、これほどまでに機能性とコスパの優れたシステムは他には無いと言えます。

つまり、モール(プラットフォーム)ではなく独自のサイトでオンライン講座を販売していくことがオンラインでビジネスを展開していくことの基本知識になるということです。
モールにはモールの良さや簡単さがありますが、考えてみてください。
いつの時代もマッチング・プラットフォームは顧客と販売者を繋ぐだけで大きな利益を得て巨大化していくのです。それはビジネスとしては健全なことだから問題はないのだけれど、モールと独自の違いは「訴求力」と「集客力」だけ。それだけでしょう。

私はいつも思うのです。
皆が独自で販売する仕組みを知り、独自でオンライン販売のインフラを組み立て、そして自力集客を促進できる人がこれからの時代に必要な人だと。
大手のモールに載せてもらうことよりも、自分のスキルとして「集客する力と仕組みをつくる」ことが重要だと。
そのためにシステムを独自で作るには費用がかかりすぎる。個人ではまず無理でしょう。
でも Teachable を使えば「自分だけのUdemy」がつくれるようなものです。
そう、自分だけのプラットフォームをつくろう。Teachable にはそれができる機能があるから、純粋に薦められるのだと思います。


④ アップセル、ダウンセル、無料オファーを事前に設計

「アップセル」というのは簡単に言えば「より高価な”ついで買い”」と言えばわかりやすいでしょう。
例えば、3,000円のTシャツをネットで決済した後に自動的に出てくる
「そのTシャツにぴったりのジャケットはいかがですか。同時購入なら5,000円引きで購入できます」
というようなアップセルLPを見たことがあるでしょう。

「ダウンセル」は逆に「安めの”ついで買い”」。マックの「ご一緒にポテトはいかがですか」のようなものですね。

オンライン講座ビジネスは「講座」という特徴から
それを購入する目的は「課題・問題解決」です。
この講座を学んだ後の「できるようになった自分」をイメージするからそのオンライン講座を購入するのです。

その特徴から考えると、アップセル講座が売りやすいジャンルと言えます。
例えば「自分で実践できる電子書籍出版講座」があるとしたら、アップセル講座として「自分の電子書籍をベストセラーにする方法」という関連したアップセル講座を見せることができます。

ここで言いたいことは、あなたのオンライン講座の関連するアップセルを事前に設計しておく必要があるということ。
後付けでアップセルは組み立てにくい。だからこそ初めからアップセル、ダウンセルを考えておくことが必要だし、それをきちんと考えていた人がより多くのオンライン講座を売っていく実績をつくっているということなのです。


⑤ ベネフィット(買ってくれた人のメリット)が常に中心にある

私はオンライン講座に限らず、オンラインでビジネスをしていく中で最も重要なものは「ベネフィット」だと考えています。

「ベネフィット」とは、それを買った人が手にする「その人にとってのイイコト」です。人は買った後の自分を想像するからこそ、それを買い物カゴに入れて決済するのです。

これは仮説ですが、オンライン講座を買う人は何を想像して「欲しい」と思うのでしょう。講座という特徴から見て、私は「できるようになった自分」を想像するのだといつも思っています。講座を学ぶことではありません。学んだ後に身に付く「スキルや知識を得た自分」を想像するから「学ぼう」と思うのです。

例えば、英会話ができなくて海外出張で恥をかいたサラリーマンがいるとしましょう。一緒に行った後輩は留学経験があって英語がペラペラ。先輩としての威厳も無くし、後輩に依存する自分がそこにいます。
まるで「優秀な後輩とイマイチな自分」という構図が目に見えますが、二人に能力の違いはあるでしょうか。
私は「ない」と思っています。

あるのは「英語を話すために使った”過去の時間”」があるかないかの違い。
つまり、英語を学ぶ時間を使ったかどうかという違いだけです。
この経験が彼の動機を生み、それから英会話を学ぶ時間をつくれば彼も「ペラペラ」になるでしょう。

「学び」とは未来の自分を変えるのです。だからオンライン講座は「未来が変わりそうな何か」を感じさせる必要があります。
まさにそれが「ベネフィット」です。誰も「学ぶための学び」など欲しくはありません。欲しいのは「変わった自分の姿」です。

だけど「売り物」はオンライン講座です。講座を売って「未来を提供する」のです。それがオンライン講座ビジネスのベネフィット。
それを感じさせられない講座は、どんなに論理的で優れていても「売れない」のです。だからこそ講座の「作り手」は、まだ見ぬ受講者の「ベネフィット」を真剣に考えなければならないのです。


まとめ

「オンライン講座」と一言でいってもその種類は膨大です。
Udemyを眺めているとジャンルだけでも相当数あります。
ビジネス関連。システム開発。動画制作関連。趣味。フィットネス。写真撮影技術。。本当に多岐に渡ります。
それはつまり、どんなことでも「オンライン講座」になり得るという証明でもあるわけです。

クライアントがオンライン講座の内容を決めるときに私が何度も言うことがあります。
それは「その講座に価値はあるか」ということです。
「価値」とは「それを学びたい・知りたい・実践したいと思う人の数」です。数(かず)の論理です。

何も仕事として経験したことでなくてもいいのです。
ペットを躾けることに詳しい人はそのノウハウを講座にすればいいし、
独自の方法論を持っていればそれは充分に講座となる得るのです。

この記事は「オンライン講座」の記事だからその内容に特化してきましたが、「オンラインビジネス」とは当然ながら「講座ビジネス」だけではありません。今やいろんなビジネスにとってオンライン化は欠かせない世の中になってきました。

ビジネスをオンラインで完結させようとするときに、私が最も重要視する点は「オンライン販売のインフラ整備」です。メルマガ単発でもダメだし、LP単発でもダメなのです。すべてが自動化されて連結しないとうまくいきません。しかし世の中には単発的な情報が溢れています。
いい例がSEOです。SEOはとても重要な要素ですが、キーワードで一番上に表示されても「買いたい」と思われるようなLPがなければスルーされるのです。SEOは目的ではなく手段です。
目的はその商品の良さを感じてもらい、欲しいと思われ、そして購入していただくこと。
さらにはそれを購入した人が、それによって得られる「イイコト」を手にしてもらうこと。

私はそれが「商い」だと思うのです。
私はそれが「販売する意味」だと思うのです。
そして私はそれこそが「存在する理由そのもの」だと思うのです。

世の中にはいろんなモノやサービスが売られています。
本物もあれば紛い物もある。それが世の常です。

「オンライン講座ビジネス」は、受講者が「こうなりたい」という未来と「今」をつなぐ架け橋です。
その受講者の未来を精一杯イメージしてそれを提供できる講師が、これからもっとたくさん出てきてほしいと願うばかりです。


それでは今日はこのへんで。
またお会いしましょう。



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