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【創作論】の呪縛、【ワクワク】の救済(第1回)

 いつもご覧いただきまして、誠にありがとうございます。中村尚裕です。

 私、よく【創作論】とされるものを眼に(耳に)します。それも考え方についてのものから具体的な方法論まで、実に様々。

 されどその一方で、息苦しそうな【作者】さんをお見かけすることもよくあります。もちろん【作者】たるもの、感性が鋭く繊細であるほど悩みは尽きぬとて不思議はありませんが、中には「思い通りに【創作】できなくて……」というお言葉もちらほら。

 【創作論】なるものが溢れ返る(ように映る)中で、思うように【創作】できないとはこれいかに――とも映りがちなこの【事実】、実は【我流】なりに思い当たるところがあります。

 今回はそんな【創作論】なるものにまつわるお話。よろしくお付き合いのほどを。

 ◇

 ここで扱う【創作論】なるものを私がよく見かけるのはTwitter、【我流】の【認識】としては『自分の考えを、不特定多数の人へ向かって発信できる場』というものです。もちろん当初に届くであろう相手の範囲はシステム上の調整が入ったものですが。ひとたび拡散されたらどこまで届くか、予想のつかぬところでもあります。

 そういう場で不特定多数へ向けて叫ぶ人あり、特定の相手(ただし公開の場でではあります)へ告げる人あり、【創作論】と括るにも幅は相応に広いものですね。前者は【攻略法】的、後者は【個別応用例】的な性格を帯びていることが多いようにも、私には映ります(もちろん例外は少なからずあるとして)。
 広く【創作論】と語られるものは主として前者、ここでは“【攻略法】的【創作論】”と呼ぶことにしますが。【一般論】的な扱いで持ち出されるもののイメージが強いと、私には映ります。

 さて、ここで“【攻略法】的【創作論】”に眼を向けてみます。
 よく【一般論】のように扱われるだけあって、その【本質】を私なりに言語化するならFAQ、『よくある困りごとと、その対処法』ということになります。これ、つまりは『【無難】と【補強】のためのもの』というのが私の【認識】ですね。

 何が言いたいかと申せば。
 “【攻略法】的【創作論】”の【本質】は、あくまでも『【一般論】の範囲を出ないもの』であって、『【作者】独自の(ここ重要)「【発想】の【ワクワク】」を実現させるもの』として『【作品】の【中核】を構成する【要素】』“ではない”――ということです。

 ここで補足を。
 『【発想】の【ワクワク】』とは、私が『【作品】の【面白さ】』を構成する要素としてよく用いる【概念】です。

『【作品】の【面白さ】』=『【発想】の【ワクワク】』×『伝達【技量】』

 ここで【発想】とは『言語化の極めて難しい【情念】に基づく要素』で、同様に【技量】とは『言語化と相性のいい【論理】に基づく要素』です。『【作品】の【面白さ】』は、言うなれば『【情念】と【論理】の【相乗効果】で実現するもの』という、これは【認識】なわけです。

 さて。
 『【作品】の【面白さ】』の【中核】に据える【相乗効果】であるからには、一方が倍増すれば、総合としての【面白さ】もまた倍増する道理です。ゆえにこそ、『伝達【技量】』を磨けば磨くほどに【面白さ】も増していくわけです――が。

 ただしもちろん、何でも掛け合わせればいいというものでもありません。この辺りは感覚的にご理解いただきやすいかと推察しますが、【発想】と【技量】の間にも、【相性】というものがあるわけです。
 
 例えば『激烈な戦闘を【表現】する【発想】』に『静寂さや穏やかさに【相性】のいい【技量】』を持ち込んだなら、さてどうでしょう。よほど【繊細なすり合わせ】を施さなければ、大ゴケするのは眼に見えていますね。
 ただし【相性】にしても大雑把な分類で全てが済むわけではありません。一見して【相性】の悪そうな激烈と静寂が、しかし【繊細なすり合わせ】の末に極めて大きな効果を醸すことだってあり得るわけです。

 つまるところ『トップ・クラスの【表現】を実現するには、【繊細なすり合わせ】を無視することはできない』ということになるわけです。【一般論】で全てを括り得ない、【創作】の醍醐味の一つですね。

 こういった『トップ・クラスの【表現】』は、こと『【作品】の【中核】』を占めているほど大きな【効果】を期待しやすいものです。往々にして『【他人】には思い付けない【発想】の【ワクワク】』は、『その【希少性】ゆえに【一般論】と相性が良くない場合も多い』と申し上げれば、腑に落ちやすい向きもあるのではないでしょうか。

 さて、こう考えるとき。
 【一般論】のように扱われる“【攻略法】的【創作論】”は、『【作品】の【中核】』、こと『【作者】独自の「【発想】の【ワクワク】」』と【相性】が悪かったとして、何の不思議もありません。『【作者】独自の【発想】』であるからには【面白い】潜在能力を秘めているほどに【希少】であり、【希少】であるほど【一般論】は通じにくくなる道理です。
 つまり、使いどころにもよりますが、“【攻略法】的【創作論】”は、下手をすると『【中核】に使えば使うほど、【作品】をつまらなくしかねない【諸刃の剣】』でもあるわけです。

 ◇

 さて、今回はまずここまで。

 まずは【一般論】で全てを括ることはできない、という私の【認識】をご提示した上で、次回からは『【作者】の【発想】した【ワクワク】』と“【攻略法】的【創作論】”との関係性について【考察】して参りましょう。

 よろしければまたお付き合い下さいませ。

 それでは引き続き、よろしくお願いいたします。

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