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信州産の美味しい葡萄ができるまで

こんにちは、なかむら果実園( https://twitter.com/nakamura_fruits )です。

私達は、江戸時代から約250年続く果樹農家です。農業をより身近に感じてもらうために、日々の活動を発信しています。

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信州のぶどう作りは、1年を通してほとんど手作業で行われます。時間と手間がかかりますが、おいしいぶどうには欠かせない作業です。

しかしながら、ぶどうの作業は一般的には10アール当たりで約427時間もの時間がかかると言われており、熟練された技術が必要な作業もあります。

では、ぶどう農家ではどのようにりんごを育てているんでしょうか。今回は、ぶどう農家の1年を紹介します。

葡萄が収穫できるまで

収穫までの流れと年間スケジュールは以下の通りです。

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引用:https://agri.mynavi.jp/2019_12_22_100171/

・4月下旬:芽吹き、 芽かき

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ブドウの芽が膨らみ始め、気温の上昇とともに葉が開き始めます。これから本格的にブドウの作業の始まりです。
葉っぱが4~5枚開いた頃、同じ部分から出てきた2本の枝の片方を摘み取って1本にしたり、勢いの弱い細いなど枝を取り除く「芽かき」作業を行います。 これにより、枝の勢力が均等化されてバランスよく栄養が行き渡るようになります。また、枝が重なって陰になっていた部分に日光が当たるようになり、枝の生育も良くなります。

・5月上旬:誘引(ゆういん)

ゴールデンウイークを過ぎると、枝が80cm程伸びてくるので、上を向いた枝を横に寝かせる「誘引」という作業を行います。
ぶどうは枝の先端に養分が集中しやすいので、枝を寝せて日光を当たりやすくすることで、ブドウの花芽に養分を送り込むようにします。
またぶどうの花も下を向いてくるので後の作業もやり易くなります。

・5月中旬:摘心、房切り

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ぶどうの花が開花する少し前に枝の先端の葉を摘み取る摘芯を行います。 この作業により、枝の先端に流れていた養分が房のほうに流れやすくなり着果し易くなります。

その後、ブドウの花が咲き始めた頃~満開時期の間で房作りを行います。 20センチ程伸びたぶどうの花芽を先端3cmだけ残し、他は切り落とします。

養分を先端に集中させる事で実が着き易くなります。この作業が遅れて満開時期を過ぎてしまったり、何もしないでそのままにしておくと、実はポロポロと落ちてしまい、綺麗な形の房に仕上がりません。まさに時間との勝負です。

・5月下旬:ジベレリン処理

房作りが終わり、満開時期を三日程過ぎた頃までに「ジベレリン処理」を行います。

ジベレリンとは植物体内にある植物ホルモンのひとつで、種を無くし、実を大きくする働きがあります。カップに注いだジベレリン液を一房、一房浸していきます。

ホルモンと聞いて少し不安に思われる方もいらっしゃると思いますが、動物ホルモンと植物ホルモンは全くの別物なので、人が接種しても体に影響が出ることはありません。

・6月上旬:摘房(てきぼう)

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ぶどうの粒が直径1cm程になった頃、余分な房を間引く摘房作業を行います。 一つの枝に2、3房着果している中で形の良い房をひとつだけ残し、養分を集中させる為、他の房は落とします。 もったいない気もしますが、房を多く残し過ぎるとぶどうの色付きが悪くなるので、美味しいぶどうに仕上げるにはきちんと摘房することが重要です。

・6月中旬:摘粒(てきりゅう)

摘房が終わればすぐに粒を間引く摘粒の作業に移ります。 房の中に入り込んでいる上向き、下向きの粒をハサミでカットして取り除きます。 一房に60粒くらい付いている実を35粒程残して形を整えます。 隙間を開けることで実が大きくなるスペースができ、色付きが良くなる他、病気や虫の予防にも繋がります。 一房、一房手作業で毎年15000房くらい手入れします。ぶどうの作業の中で一番時間がかかる作業になります。

・6月下旬:袋掛け

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梅雨の時期に入ると日照時間が少ない為、植物の光合成が劣り抵抗性が下がるので病気や害虫が発生し易くなります。 病害虫からぶどうの房を保護する為に全ての房に手作業で袋を掛けていきます。

・8月下旬〜9月:収穫

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いよいよ収穫シーズン最盛期です。昼と夜の温度差がある信州の気候で育ったぶどうは、糖度が20度にも達し甘くて濃厚な旨みが特徴です。

・10月以降:剪定

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葉が黄色くなりぶどうの葉が完全に落葉したら剪定作業の始まりです。

「剪定」は翌年のぶどうの生育を決定付ける極めて重要な作業で、枝を多く残し過ぎると葉が茂り過ぎて暗くなり、色付きに影響が出てしまいます。また枝を短く切りすぎると、次の年に房が付かない事もあります。

枝の切り方一つで違いが出るので、経験と技術を要する仕事です。

まとめ

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

なかむら果実園では「りんご」と「ぶどう」を栽培・販売しています。詳しくは公式ウェブサイト↓をご覧ください。



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