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『離婚しようよ』が面白かった件

少し前ですが、ネットフリックスのオリジナルドラマで『離婚しようよ』がとても面白かったので・・・。
宮藤官九郎さんと大石静さんの脚本です
宮藤官九郎さん脚本のドラマは好きで、ほとんど見ています。
最近だと、『不適切にもほどがある!』などもそうですが、今の社会現象や、社会問題をシニカルにとらえながら、ユーモアと愛に溢れている展開が好きです。

主人公の仲里依紗、演じる黒澤ゆいは、売れっ子女優で、その夫、松坂桃李、演じる東海林大志は、愛媛に基盤をもつ二世議員です。
私は松坂桃李さんって凄い俳優さんだなと思います。
以前に麻生久美子さんとのドラマで『あのときキスしておけば』もとてもよかったのですが、さまざまな役をされていますが、素顔をあまり見せないところが役者魂だなと思います。  シリアスな役からコミカルなものまで、八変化であっぱれです。
そして、あの錦戸亮がゆいの不倫相手ででてくるのですが、何しているやつだって問われて、死んだように生きているパチプロのアーティスト、その後略して、パチアートって言われていて、訳のわからないオブジェとか作っている訳です。 
そのパチアートの恭二は変人でしたが、ある意味、純心で色気半端なかったです。 
男としては、不能ですけど策略ばかりの世の中に疲れている人には、恭二のアウトローな感じは魅力的に映ると思います。 
その不倫が見つかって、ゆいは不倫だと認めるけど、表沙汰にしたくない大志のお母さんにしてみたら合体していなければ不倫じゃないというんです。
離婚したいゆいは、パチアートは不能だけど、合体以外は全部したから不倫だといいはります。
それぞれの立場で、都合のいい解釈をしようとします。 
とにかくお母さんは選挙優先です。
大志は大志で誘惑されれば、我慢できずに、相変わらず不倫をくりかえしています。
なんで結婚したんだっけ、なんで離婚したんだっけ、そんなもんですよね。もう今の世の中、結婚して添い遂げる事態が難しい気がします。
大志のお母さんは、夫の不倫には、自分が正妻なのだからと耐えてきたみたいなこといっていましたけど・・・。 
結婚していると優遇される世の中のしくみ自体もう見直す必要があるのかなと思います。 
同性婚だって、結婚制度自体の優位性がなければうらやむものでもないですよね。 異性愛でも同性愛でもおなじようにパートナーシップみたいなので、一定の利害を共有できたら、それでよくないですか。子供のことは国が徹底して守る。
このゆいさんの実家のお母さんは、7人子供がいて、一度も結婚してないし、全部父親が違うという設定です。 こういう人は、国は全面的にフォローすべきですよね。
もうそろそろ今までの価値観を根底から変えないと、人は幸せにはなれなそうです。 
結婚してもしなくても安心して子供が生めるように。 
たとえば、群れで助け合うライオンみたいに生きられないでしょうか。 
いろんなドラマでも取り上げられていますが、一生ひとりの人と添い遂げる事は神話になりつつあります。
世の中バツ1、バツ2 ごろごろいますよね。 様々な理由で長年連れ添っている人だって、家庭内別居みたいな話もよく聞きます。 
ゆいちゃんのお母さんの生き方が、潔くてステキでした。 いろんなことを考えちゃうドラマでした。
最後ね、選挙の為にふたりが心を入れ替えて戦いました。 
僅差で負けてしまったけど二人の絆を再確認して、お腹の子供のためにも離婚を踏みとどまるのかと思ったら、その足で離婚届を時間外の窓口に出しに行きます。 
その後、逃した魚は大きかったって思うのは男です。ラストゆいちゃんは、パチアートじゃない新しい男ができていました。
アウトローだったパチアートにも、新しい人生の展開が訪れます。
怒涛の展開が面白かったです。 
このドラマは人と人がちゃんとぶつかり合うのが新鮮でした。
なんでも言っちゃうんだなと思ったけど。 
不能だとかセックスのことも、夫婦、親子で大声で話します。 
隠すからおかしなことになるのかな。まあ実際はここまで言えないですけどね。  日本には昔から言わない美学っていうのがあります。 
それゆえの誤解もたくさんあったと思います。 
なんでもいえばいいというものでもないですが、自分が思うことをもっと主張していいのかなと思いました。
SNSじゃなくて、対面でね。そしたら世の中もう少し、活性化して風通しもよくなりそうです。 AIだってこのバトルには対応できないですよね。
人間は理解不能な理不尽さも持っているところが、魅力なのです。

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