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【初日】

新入園児の保護者の皆さん、登園初日の感想はいかがですか?朝「いぎだくなーい!」とだだをこねたと思われるお友達。不安そうな表情でトボトボとバスから降りてきました。登園するのが待ち遠しかったお友達。在園児と一緒に自分の教室へ向かっていきました。なにはともあれ幼稚園が本格的に始まりました。

 朝バスから降りてくると、年長組の先生が新入児を正門でお出迎え。幼稚園のベテラン年長さんに「このお友達をクラスまで連れて行ってあげてね?」って手を引かせてクラスまで案内してもらいます。中には、「一緒に行こうね」なんて率先して年少児の手を引く女の子もいたりして…。4月ならではの微笑ましい登園風景です。そうそう、あなた達が入園して来た時も当時の年長さんのお世話になったもんね。そのお返しを今年の新入児にしなくっちゃ。

 さてここで、新入児の気持ちを大人の私たちの立場で考えてみましょう。保護者の皆様が右も左も言葉も分からない外国へ目隠しをされて「ぽん」と連れて来られたとしましょう。そこで突然「楽しく遊んでご覧なさい」というお題を渡されます。いったい皆さんだったらどんな行動をとるでしょう。

 とりあえず日本大使館を探すか、それとも「ここはどこなのか」手当たり次第に聞くか、言葉が通じない場合、誰か言葉が通じないか「日本語解る人いませんかぁ〜」って大声を出すか。何も考えず手当たり次第におもしろいと思われることをしてみるか…。大人の私たちには多かれ少なかれ対処の方法を模索します。
 
 そう考えるとそれが生まれて3,4年のお友達なら「泣く」という行動でとるのはごくごく当たり前に感じませんか?初めて一人で来る幼稚園は、まるで見知らぬ異国のよう。そしてそこに入るには、目をぎらぎらを輝かせ、ヒゲを生やしたこわい顔の見知らぬたかちてんていに「おはようございます」といわなければなりません。むぅ〜コマッタ、非常にコマッタ…。ここは一丁いつも以上に泣いておかねばならないところでしょう。まぁそんなわけで大声で泣いているお友達がこの時期幼稚園には沢山いるのです。

 そんな気持ちが解るたかちてんていは登園して泣いているお友達に「泣かないでね」とは言いません。あえて「泣け泣け、いっぱい泣け」ってだっこしながら言います。思い切り泣いたところで、散歩をしたり、ウサギを見に行ったり、この時期は桜がぽつぽつと咲き始めるので、青い空に映える桜を見上げたりします。そうそう「たかちてんていの顔はこわいけど幼稚園は楽しいんだぞぅ〜」って少しずつ教えてあげるのです。もちろん担任も泣いているお友達にあれやこれやと優しく声をかけておりました。

 幼稚園初日。保護者の皆様は泣いて登園するお友達に、思いっきり後ろ髪を引かれる思いだとは思いますが、幼稚園の楽しさを少しずつ解ってきて今日の思いが嘘のようになっちゃうことでしょう。一生に1度しかないこの気持ちを4月のうちに存分に味わっておきましょうね。
【2005.0411】


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