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【おべんとう】

今日からお弁当がはじまりました。保護者の皆様の中には「週に1回でも2回でも給食のある幼稚園」を希望される方もいらっしゃったと思います。現にたかちてんていの知り合いでも「幼稚園を決める時に給食の有無は大きな要因よね」と言っていた人もいますし、昨年度園見学に来られた中で「お弁当ですか?」という質問はトップ3に入るほどでした。でも中には「お弁当作るの楽しいから、その方がいいですっ!」って言い切るお母様もいたのです。

 幼稚園を経営する上で「給食」という事業は大きな宣伝効果もありますし、また保護者の皆様にも魅力的なサービスだと思います。でも、うちの幼稚園が「給食事業」を行わないのには理由があるのです。

 実は先々代の園長はこの給食事業を20年も前に行っていたのです。しかしそれは3,4年で頓挫しました。理由は3つ。
 1つ目。給食はとても美味しそうで魅力的なおかずばかり。でも、まだ幼児には食事に関する差があります。食事に要する時間。好き嫌い。食べられる量等々・それを同じ量で同じだけ提供される給食に、当時の子どもは負担を感じたようです。
 2つ目。保護者の皆様には「今月の献立」という形で、何が出るのかはお知らせできますが、その日のお昼に子どもが何を食べたのか、何を残したのかが把握できない事。幼児の生活の基本である食事を把握できないのは教育機関としては矛盾するのではないか。また幼児が何を食べ何を残したのかで、子どもの体調も解るはず。
 3つ目。なによりも当時の子どもたちは「給食を残した」のです。大正生まれの前々園長は、お金をはらって給食をしているのに、そのほとんどが残され捨てられるのに「お金を捨てているようだ」と感想を持ったようです。

 そんな経験から、毎日お弁当にしているのです。

 ということを踏まえて、今日はお弁当1日目。お友達は何よりもお弁当を開いて食べるのを楽しみにしているようです。

 朝、美味しそうなお弁当をカバンに入れ「重い重い」といってノッシノッシ登園してきたお友達。「重そうなカバンだなぁ。お弁当入ってるの?」て聞いてみるとカバンをバンバンと叩いてみせ「うん。お弁当もってきたよ!」ってとてもいい笑顔を見せてくれます。

 お昼にはほど遠い10時頃。幼稚園の外廊下に腰を下ろし桜を見上げながらひなたぼっこをしていると「カカカカカバン持ってくる」ってあわてて教室へ戻りカバンを持ってきた男の子。「ここ気持ちいいからここでオベントする!」なんてお弁当を開けちゃったりして…。

 一足お先に教室でお弁当をすませた年少さん。母の味にすっかり「ママモード」になったお友達は、事務所へやってきました。そしてたかちてんていのお弁当をのぞき込んで「わたちにもちょっとちょうだい」なんつって、たかちてんていのお弁当をつまみ食いしようとします。

 お弁当には、やっぱりお母さんの愛情が沢山つまっているのですね。最初の方は、慣れないお弁当作りにお母様方も苦労されると思いますが、それが「日課」になってしまうまでの辛抱です。お友達に美味しいお弁当持たせてくださいね
【2005.0419】


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