異常に公平を大事にしてコストを気にする心理
「公平」を重要視する人は多いですよね。
例えば所得の多い人は恵まれている状況に対して、「申し訳ない」と思うことがあり、寄付やボランティアなどの活動に精を出すことがあります。
そうやって恵まれていない人とのバランスをとろうとします。
公平を重要視する不合理さ
一方で恵まれていない人たちは所得が高い人たちに対して、「もっと税金を納めろ」と訴えて不満をぶつけたりするんです。
このように公平でないことに問題意識を向ける人は多いんです。
この公平を重要視する考えが時に、不合理な考えを招きます。それをわかりやすく示してくれるのが「最後通牒ゲーム」です。最後通牒ゲームとは片方が配分を決めて、片方がそれで承諾するか却下して、二人とも利益が無くなるかを決めるゲームです。
例えば2人の内、片方に1万円を渡したとします。
そして渡された方がその1万円の配分を決めます。
仮に自分が6000円で相手が4000円という配分を決めた場合、相手はその配分通りで取引を成立させるか、却下して二人ともお金が貰えないようにするかを決めるんです。
この時、合理的な判断はどんな配分でも承諾することです。
なぜならお金が貰えないよりかは少しでも貰えた方が得だから。
しかし最後通牒ゲームをすると、不公平な配分であればあるほど、取引を承諾しない人が多くなるのだとか。つまり少しの利益よりも0円の方を選ぶんですよ。
1万円の配分を決める時に7000円と3000円の場合だと、不公平だと思ってその配分を却下するということです。
そうやって二人ともの利益を無くすんです。
不合理な考えが利益を減らす
合理的に考えるなら3000円と0円なら、3000円貰える方が良いはずです。
なのにも関わらずなぜか0円を選ぶ人が多くいるんだとか。
これが「公平」を重要だと考える人間の心理なんです。
このように「格差が絶対にあってはいけない」考えたり、「常にみんな一緒でなければならない」と考える人がいるんですよ。公平に対しての意識の高さは、確かに重要ですがただ度が過ぎれば合理性を失います。それが本当に得なのかは考えないといけません。
公平を重要視して誰かの足を引っ張り、全体の利益を減らすのは不合理ですから。
例えば同じ作業をする時も必ず能力によって作業スピードに差が出ます。
合理的に考えるなら作業が得意な人が担当して、他の人はそれぞれ自分の得意な分野で他の作業をした方が良いでしょう。しかし「公平」を重視する人たちは、みんなで同じ作業をすることを求めてしまうんですよ。それに伴って作業が遅れたり、無駄な損失が生まれることがあります。
みんなが仕事しているからそれに合わせて作業を遅らせて、残業する人なんかまさにその一例です。
コストに執着しないこと
無駄な残業をすると、残業代が発生し会社の利益は減り、作業効率は悪くなってしまいます。公平を重要視する人はこういう側面があることを、ちゃんと認識するべきだと思うんですよね。
こういう不合理な部分が人間にはあるんです。
それは「コスト」に関しても見てとれるものです。
サンクコストと言う言葉がありますが、既に使ってしまい取り返せないコストがサンクコストです。
このサンクコストに関して何とか、取り返そうと考えてしまったりするんです。
例えば1500円払って観た映画が面白くない時でも最後まで観たり、買った服がダサかってもなぜかそれを着て外出したりします。合理的に考えるなら面白くないなら、映画を観ずに別のことをした方が得かも知れないし、ダサい服は着ないほうが良いと考えられます。
しかしコストを一度払うと執着するんですよね。
いつまでも株を保有して損切り出来ない人がまさにそれです。
とにかく人は合理的に考えるのが苦手です。
しかし合理性を失うと大きな損失につながるケースもあるので、感情的にならずに冷静に考えることも大事なことかなと思うんですよね。
何者でもない僕をサポートしてくれるならあなたの気持ちに答えれるように、これからもコツコツ頑張っていきます。