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「七騎落(しちきおち)」 その3

能楽協会主催「日本全国 能楽キャラバン!in 神奈川」公演として、2022年1月5日(水)、鎌倉芸術館小ホールにて、源平合戦の最中に生まれた親子のドラマに焦点を当てた名作、「七騎落【しちきおち/Shichikiochi】」を上演致します。主従の恩愛、親子の情愛に揺れ動く、主役の土肥実平の心情。親子の今生の別れと予期せぬ再会。そして祝宴の舞と、場面が移り変わる様を想像して楽しむ曲となっております。また和田義盛が源氏方につく場面も描かれ、源氏方旗揚げのきっかけもつかめます。
 狂言は、石橋山の合戦を語る名曲、「文蔵」を野村萬斎師に演じて頂きます。冒頭は古典芸能解説者、葛西聖司氏に見どころの解説をして頂きます。 能には、前方スクリーンにて現代語訳を投影しまして、より理解を深めることの出来る公演となっております。

というわけで、稀曲「七騎落」の解説をお話ししていきます!

③ 七騎落 3

 遠平を浜辺に残して舟に乗った実平。頼朝を始め皆遠平を気にしているが実平は決して渚を振り返ることは無かった。(写真1枚目)

④ 12.09.27 能知会 (34)


 そこに追手が大挙して押し寄せ、皆遠平は討ち死にしたと思い、父の実平は心の中では今すぐ船を降り遠平と共に討ち死にしたいと思うが、頼朝の為に耐えるのだった。
 そのまま海を漂っていると後から一艘の兵船が追ってくる!様子をみようと実平が声を掛けると、それは内通していた和田義盛の舟だった。
 義盛が実平に「頼朝様は無事か?」と尋ねると、実平は義盛を試す為に「頼朝様とは離れ離れとなってしまった」と答えた。
 義盛は激怒し「頼朝の為に味方を裏切って此処まで来たのに、もはやこれまで」と自害しようとするので、実平は「待て!頼朝様はこの舟に乗っている」と自害を止めた。
 義盛が「どういう事だ!」と尋ねると実平は「ほんの冗談でした。陸が近いので舟を岸につけて再会しましょう」と言って舟を岸に寄せるのだった。 
(写真2は自害しようとする和田義盛です)

⑤ 12.09.27 能知会 (40)

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◇公益財団法人鎌倉能舞台HP http://www.nohbutai.com/

◇【日本全国能楽キャラバン! in 神奈川】「七騎落」 父子の愛―石橋山のドラマ~頼朝の旗揚げ~ 
◆日時 2022年1月5日(水)14時開演
◆開場 鎌倉芸術館小ホール(神奈川県鎌倉市大船6-1-2)
◆入場料 5000円(全席指定席)
◆演目
 講演「父子の愛-石橋山のドラマ」 解説 葛西聖司
 狂言「文蔵(ぶんぞう)」     シテ  野村萬斎
 能「七騎落(しちきおち)」 シテ 観世喜正/地頭 中森貫太

○チケット申し込みフォーム http://www.nohbutai.com/ticket/ticket.htm
○eプラス https://eplus.jp/sf/detail/3491600001-P0030001

◆能楽キャラバン㏋ https://www.nohgaku.or.jp/caravan2021/performance/detail/20220105_kanagawa?s=09

令和4年1月5日能楽キャラバン公演-A6-1


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