見出し画像

食品業界のWEBプレゼンツール 「リモプレ」をリリースした理由

2020年10月、「リモプレ」というサービスをリリースしました。

リモプレは、食品業界のリモート商談を盛り上げる営業ツール。
WEBプレゼンシートと商品紹介動画を食品メーカーさんにご提供するサービスです。

なぜ、僕らがこのサービスをリリースすることになったのか、
実際のエピソード、仮説、検証を紹介しながら書いていきたいと思います。


あるメーカーさんの言葉

「中間さん、Zoomで商談しましょうよ」

2020年の5月、九州の食品メーカーの営業の方からそんな事を言われました。コロナ禍の真っ最中のことです。

僕は心の中で「おーーーーーーー!」と激しく感動したのを覚えています。
「お」の後に伸ばす棒を7本付けないとこの感動を表せない!

その頃、僕らは2ヶ月で240商品のOEM惣菜の開発という大きな仕事を頂いていて、全国の沢山の食品工場と毎日電話でやり取りしながら開発を進めていました。

その中、食品工場の方から言われたのがこの言葉。
「ついにその時がやってきたかもしれない」と感じました。


CROWD FOODを運営してきて感じていた限界

画像2

創業以来、「クラウドフード」というWEBマッチングサービスを運営する中で僕らはどうしても超えられない大きなハードルに悩まされてきました。

それは、
「会わないと売れない」
「会わないと買えない」という業界の慣習からくる人々の思い込みです。

もちろん、人のコミュニケーションにおいてリアルで会うということの重要性は否定しませんし、人と人とのつながりが大事な食品業界では尚更です。

ただ、それでは僕らが勝ってほしいと願っている中小の食品メーカーさんには100%勝ち目がないとも思っていました。

大手メーカーが、東京にオフィスを持ち、足繁くバイヤーを訪問する。
片や、地方にある食品メーカーは、出張に多くのお金と時間を割く必要があり、数ヶ月に1回くらいしか商談をすることが出来ないので勝負にならない。。。

クラウドフードには年間約20万人のユーザーが訪れていて、少なからずマッチングを生み出してきましたが、その後は地方のメーカーさんが訪問できないので結局は商品が売れないという現実を突きつけられて、正直言って心が折れかけていました。

そんな中で、「やっと中小のメーカーさんにチャンスがやってきたかも!」と鳥肌が立ったのを覚えています。


サービスのリリース 〜仮説とインタビュー〜

リモート商談を成功させる為のサービスリリースの検討をスタートしました。それからはインタビューと調査とスタッフとのミーティングの日々。

・リモート商談をどれくらいの企業がやっているのか?
・バイヤーの商品選びはどうなっているのか?
・コロナ禍の食品の商談はどうなっているのか?
・みんなが困っていることは何か?

仲の良い食品メーカーの営業の方、バイヤーにインタビューを行っていきました。そして、自分も大分県の市町村が開催したZoom商談会にバイヤーとして参加しました。

結果こんなことが分かってきました。

・7割くらいのメーカーさんがZoomの商談は経験している。
・致命的なほど商談が盛り上がっていない。
・商談時間が15分くらいで終わってしまっている。
・試食をしてもらえないので、何となく商談が終わってしまう。
・既存顧客とは電話で何とかなっているが、新規顧客の開拓、商品選びは壊滅的。

バイヤーとして参加した商談会ではこんな事を感じました。

・顔だけを見て、15分くらい話をするとマジで辛くなってくる!
・リアルでの商談会に比べて、まったく商品の良さが伝わってこない!

リアルの商談をそのままリモートに移しても成立していない。
何か新しい方法が必要だ!

これが僕らが出した結論です。


なぜ、食品業界の営業はリモートでは成立しにくいのか?

リアルの商談の方法がなぜリモートでは成立しないのか?
ここにヒントがあると考えました。

1つ目の理由は、絶望的な資料の無さです。

食品の営業で一番大事なものは、商品そのものです。

そのため、資料というものがあまり重要ではなく、
会社案内や商品パンフレットもあまり充実していません。

Excelで作った規格書やFCPシートは存在するものの、
アレルゲン、ケース入り目、製造工程などの定量的な情報のみしかなく、
それは商品を営業するというよりは、商品が採用になってから重要度が増してくるもの。

つまり、商品を売り込む時にそれを見せられても、バイヤーの心は全く動かないし、採用を検討していないバイヤーにとってはむしろ退屈ですらあるということです。

2つ目の理由は、営業においてのメインイベントである「試食」が使えないということ。

試食が出来ないので、盛り上がらず淡々と商談が進んでいってしまう。

「食べる→おいしい→採用!」の勝ちパターンが使えないのは致命的だと思いました。

口頭での説明   →   WEBプレゼンシート
試食       →   商品紹介動画

このように置き換えることで、リモート商談ならではの商談が出来るのでは?という仮説を立てました。


仮説の検証

仮説が立ったので具体的にWEBプレゼンシートと動画を制作をし、
検証するというフェーズに移りました。

制作するうちに、

「これはかなり大きな可能性があるのではないか?」
「むしろリアルな商談をするよりも商品の良さを伝えられる可能性があるかも?」

と考えるようになりました。

特に「食品のおいしさ」を伝えることにおいて動画は
可能性しか感じませんでした。

百聞は一見にしかず。
まずはこの動画をご覧ください。

静止画の商品写真だとこうなります。

のりクロ125g(新)

静止画だと一見すると何に使えるかが分からないし、
その場で料理をして試食してもらうことはかなり難しい。

食品の美味しさを伝える「シズル感」が静止画と動画では圧倒的に違います。

WEBプレゼンシートについては、実際に商談に使用してもらい、
使用感についてインタビューを行いました。

使って頂いたのはこのWEBプレゼンシート。

https://media.crowdfood.jp/lp/

「コンセプトをきっちり伝えることができた」
「伝わった上で、採用できるできないのジャッジをしてもらえるので商談が一歩先まで進んだ」「伝えもれがなかった」

台本のような役割を果たすことが分かりました。

このような仮説と検証フェーズを経て、リモプレはWEBプレゼンシートと動画を組み合わせたサービスになりました。


チャンスのある世界

リモート商談が成立していく未来の世界について、
このサービスを構築しながら、僕は考え、妄想してきました。

考えれば考えるほど中小のメーカーにとってはチャンスでしかないと
感じるようになりました。

距離の壁がなくなったことで首都圏のライバルと全く同じ土俵で戦えること。出掛けなくていいので効率的な営業が出来、少人数でも多くの商談をこなすことが出来ること。

つまり、商品力があれば、ハンデなく十分に戦える世界がやってきます。
リモート商談のスキルを上げていった企業が新しい時代の勝者になるでしょう。

リモプレの後に、リモート商談をさらに推し進めるサービスを構築しています。中小の食品メーカーさんにチャンスのある世界を作っていきたいと思います。

リモプレの詳しい情報はこちら↓
https://media.crowdfood.jp//remopre/

画像3


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?