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女性選手の非接触型前十字靭帯損傷を防ぐには(体幹の安定性を重視し、中殿筋と股関節の外旋筋を発達させ、大腿四頭筋とハムストリングスの筋組織を強化する事は、着地時の外反トルクの有意な減少と、膝屈曲の有意な増加を促す)

女子選手と非接触型前十字靭帯損傷

女子選手は非接触型ACL損傷を起こしやすい潜在因子を有しています。

しかし、適切にデザインされたトレーニングプログラムは、このような傷害の可能性を低下させられるとRenstromらは主張しています。

前十字靭帯損傷を防ぐには

体幹の安定性を重視し、中殿筋と股関節の外旋筋を発達させ、大腿四頭筋とハムストリングスの筋組織を強化するトレーニング処方は、ACL断裂の発生率を低下させることができます。

また、Meyerらは、体幹のストレングストレーニングと下肢のレジスタンストレーニングを含む6週間のコンディショニングトレーニング後に、女子選手において、着地時の外反トルクの有意な減少と、膝屈曲の有意な増加を見出しました。
同様にLeetunらは、試合期に膝の故障を抱えていない女子選手は、体幹全般が強いこと、すなわち、腹部の機能が高く、背部伸筋と腰方形筋の持久力が優れていることを明らかにしました。

また、膝の故障を抱えていない選手は、抱えている選手と比べて、股関節外転筋と外旋筋の筋力が有意に大きいことも認められました。

ACL(前十字靭帯)閾値の評価

Chaudhari&Andriachiは下肢モデルを利用して、膝のアライメントとそこから生じるACL(前十字靭帯)閾値を評価しました。

ここでいうACL閾値とは、膝関節が8°を超えて内側へ向かうか、または外側へ開くまでに、ACLが耐えられることのできる力の最大値を指します。

ACL損傷閾値はニュートラルなアライメントにおいて最も高い

Chaudhari&Andriachiのモデルによると、ACL損傷閾値はニュートラルなアライメントにおいて最も高く、自重の5.1倍になりましたが、アライメントが外反または内反になると、ACL損傷閾値はそれぞれ自重の2.2倍と2.1倍に低下しました。

言い換えると、膝関節で外反または内反モーションが起きている際は小さな力でACLが損傷し、極度の外反モーション時には、ACL損傷に先行して膝関節が内側に崩れている可能性があります。

膝関節の外反モーションはACLの損傷を予測し、それに先行することが示されており、女子バスケットボールおよびサッカー選手は男子と比べて、特に着地中とカッティング中に膝関節の外反モーションを大きく示す傾向があります。

したがって女子バスケットボールおよびサッカー選手は、これによってもたらされるACL損傷リスクが高いと考えられています。

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