青少年アスリートを対象としたパフォーマンスと傷害予防には(バランス、筋力、プライオメトリックス、アジリティ、スピード、コーディネーションなどが含まれる)
青少年のパフォーマンスと傷害予防
青少年を対象としたパフォーマンスと傷害予防の向上を目的とした神経筋トレーニングを考察した大多数の研究には、多くの要素(バランス、筋力、プライオメトリックス、アジリティ、スピード、コーディネーションなど)が含まれています。
したがって、それぞれの構成要素の貢献を評価することは難しくなりますが、青少年のINTプログラム(統合的神経筋トレーニング)は、6つの必須構成要素に分類できます。
青少年のINTプログラム(統合的神経筋トレーニング)の6つの必須構成要素
・動的安定性
・コーディネーション
・筋力
・プライオメトリックス
・スピード&アジリティ
・疲労耐性(心肺系と反復持久力など)
これら6つの要素は、様々な時期、練習、そしてトレーニングセッションで蓄積される、長期的なアスリートの能力開発モデルを通して統合されます。
さらに、コーチとコミュニケーションを促進することにより、トレーニングの非効率性やオーバートレーニングをもたらす不要な重複を減らし、能力の向上を最適化できます。
INT(統合的神経筋トレーニング)プログラムの方向転換における注意すべき点
INT(統合的神経筋トレーニング)プログラムに関しては、速いスピードでの方向転換能力のトレーニングを行なう際、下肢のバイオメカニクスに特別な注意を払う必要があり、特にカッティング動作を行なう際の前額面での膝関節のバイオメカニクスのコントロールを誤ると、ACL(前十字靭帯)剪断などの傷害の主要リスクとなります。
方向転換時(COD:change of direction)の靭帯への負荷は、疲労や意思決定プロセスに伴い増加します。
予測不能なカッティング動作中の動的外反が通常男子よりも大きい思春期の女子では、この影響はさらに大きくなります。
膝を安定させる最も有効な活性化パターンは、ハムストリングスと大腿四頭筋が屈曲や伸展トルクを生み出す際に達成されることが示されています。
INT(統合的神経筋トレーニング)プログラムにてアジリティを導入するには
INTプログラムにおいてアジリティを最初に導入する際には、下肢(体幹-股関節-膝関節-足関節複合体)に正しいアライメントと屈曲に焦点を合わせ、関節への高負荷を軽減するための運動学を維持しなければなりません。
同様にオープン課題や非計画的な条件では、類似のスポーツシナリオにおける負傷のリスクを減らす意図で、下肢のパターンにも注意を向ける必要があります。
オーストラリアのサッカーを例にとると、ACL断裂は、サイドステップ(37%)、着地(32%)、着地と踏み出し(16%)、停止/減速(10%)、およびクロスオーバーカッティング(5%)などのCOD中に起こることが観察されています。
このような情報から、INTプログラムにおいて、方向転換につながるサイドステップやクロスオーバーカッティング、さらに減速などの、多種多様なCODを伴うアジリティトレーニングを計画する必要性が強調されます。
アジリティトレーニングは、技術的な能力を促進するために、よりオープンで非計画的な状況のドリルに進む前に、前もって計画されたクローズドドリルから開始されるべきとされています。
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