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姿勢安定性の不足と傷害リスク(ダイナミックバランスとしても知られる姿勢の安定性は、動的な課題を行っている間の重心の安定性をコントロールする、感覚情報と神経筋コントロールの統合に依存している)

姿勢安定性とは

ダイナミックバランスとしても知られる姿勢の安定性は、動的な課題を行っている間の重心の安定性をコントロールする、感覚情報と神経筋コントロールの統合に依存します。

現在のところ、バランスと下肢の傷害リスクとの関係は特に傷害歴のある人では、姿勢安定性の不足と傷害の発生頻度との間に有意な相関関係を見出しています。

姿勢安定性を評価するために使われる方法は、様々であり、先行研究と比べて対照的な結果となることもあります。

姿勢安定性と傷害リスク

青少年アスリートにおいては、静的な、そして動的な課題を行っている間に姿勢の安定性をコントロールできないことは、傷害のリスクと関連づけられます。

Pliskyは、バランス能力がより優れた高校生選手は、Star Excursion Balance Test(SEBT)において、前方距離と側方距離の得点が高く、下肢を負傷する可能性が2.5倍低かったことを示しています。

この知見は、青少年アスリートのS&Cプログラムにバランストレーニングを取り入れることの重要性を示しています。

バランストレーニングと不安定なレジスタンストレーニング

多くのスポーツ活動では、バランスが崩れた不安定な状態で力を発揮することが必要であるため、不安定なレジスタンストレーニング(BOSU上でのスクワットなど)は、安定的なレジスタンストレーニングと比較すると、より大きな神経筋適応を促す(体幹の筋の活性化、共収縮、四肢筋群の活性化をより高める)ことが明らかになっています。

さらに、不安定性トレーニングは関節に与えるストレスがより少ない状態で筋の高い活性化を達成できるため、有益になります。

しかし、他方では、不安定なレジスタンストレーニングにより発揮筋力が低下し、拮抗筋の活動増大をもたらす可能性があり、それがレジスタンストレーニング時の絶対筋力の増大に悪影響を及ぼすかもしれないともされています。

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