筋力およびパワーの適応を競技パフォーマンスに転移させる(速度を最大限に向上させる上で重要な要素は、力の発揮と発揮時間であることを意味する)
スプリントスピードと発揮筋力
スプリントスピードを構成するもう一つの主な要素としては、パワーと力積の両方を左右する発揮筋力があります。
ランニングにおける発揮筋力は、特に下半身のピーク筋力を増大させることによって向上させることができ、下半身の筋力増大には、スクワットやレッグプレスのような重い負荷を利用できる多関節運動が最適であるとされています。
また、パワー発揮能力の増大を直接狙うには、様々な程度の負荷を用いて爆発的エクササイズを行います。
例えば、ジャンプスクワットやパワークリーン、パワースナッチが適しており、パワートレーニングは、ランニングテクニックのトリプルエクステンションと、パワーおよび力積の構成要素である速度に対して特異性が高いために重要になります。
これらのエクササイズはいずれも、競技トレーニングや競技会スケジュールに合わせて期分けし、中心となる競技トレーニングの補助として実施すべきとされています。
短距離における走速度
短距離における走速度は、ほとんどのチーム競技において優れたパフォーマンスを発揮するための重要な要素になります。
速度はストライド長とストライド頻度(ピッチ)の積であり、速度を高めるためには、これら変数の両方は無理でも、いずれか一方は向上させなければなりません。
速度の決定論的モデルをみると、ストライド長とストライド頻度はいずれも元をたどれば力の発揮される量と時間の産物であることがわかります。
これは、すなわち、速度を最大限に向上させる上で重要な要素は、力の発揮と発揮時間であることを意味します。
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