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Clubhouseの招待枠をメルカリで売った人は反省してください

音声版Twitterの「Clubhouse」がバズって1週間以上たった。1人につき2人しか招待できないという完全招待制のためバズった当初はメルカリで招待枠が1万円で出品されるなど大きな話題を呼んだ。(今は使用時間やフォロワー数によってもらえる招待枠は増えている)本当はこの話題が盛り上がっていたときに書くべきだったんだけど、卒論で忙しかったので遅れてしまった。が、せっかくなので「Clubhouseの招待枠をメルカリで売った人は反省してください」というテーマで書いていく。

当時、僕もリアルタイムで追っていたのだがクラブハウスの招待枠はメルカリで面白いように売れていた。更新するたびに新しい招待枠が出品されて、また更新すると売り切れていた。

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値段はどんどん釣り上がり、1番高いときだと1万円で売れていた。その後「供給が増えると価格が下がる」という経済の大原則の通りにどんどん価格は下がり、最終的にはメルカリが規約違反と見なし出品が全て削除された。僕はこの様子をInstagramで「面白い」とリアルタイムで発信していたのだが、何を勘違いしたのかフォロワーの方から「僕も招待枠1万円で売れました!ありがとうございます!」というメッセージが何件も飛んできた。僕は一言も「Clubhouseの招待枠を売って儲けよう」なんて言ってないのに。むしろ招待枠を売るなんてことは絶対にしてはいけない。売った人は反省した方がいい。

「なんだよ。お前いつも歪みを利用して得しろって言ってんじゃねえか」と思う人もいるかもしれないが、それは間違っている。確かに常にそう発言しているが、もう一つ僕が繰り返し言ってることがある。それは「目先の小銭よりも信用を大切にしよう」だ。

なぜClubhouseの招待枠をメルカリで売った人は反省した方がいいのか。それはあなたが信用をないがしろにしてるからだ。あなたがClubhouseを使っているということは、あなたを招待してくれた友達がいるわけだ。あなたはその友達に招待枠をメルカリで売って1万円近く儲けたことを報告しただろうか。していないとしたら、あなたは友達の信用を裏切っている。友達はまさか自分の貴重な2つの招待枠を、信用している友人が勝手にメルカリで売り飛ばして金に替えてるなんて思いもしないだろう。

あなたは友達が善意で無料でくれた招待枠を勝手に売り飛ばし、自分だけ得をして満足しているのだ。例えるなら「友達がくれた誕生日プレゼントをメルカリで売ってる」のと全く同じだ。目先の小銭のために信用を裏切ったのだ。そんな酷いことをする人間と僕は付き合いたくない。

闇金ウシジマくんの名言「一度なくした信用取り戻すのは、最初に信用作るより大変なんだ」の通り、もしあなたがせっかく招待してくれた友達の枠を売って金に替えたとバレたら、今まで築き上げた信用は一瞬で崩れてしまう。それくらい恐ろしいことをしたんだと自覚した方がいい。

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また「信用を獲得する大切さ」も理解できていない。Clubhouseがバズった当初、招待枠を求めていろんな人がSNSで募集をかけていた。あなたがそこで大切な友達に枠を提供すれば「恩」を売ることができる。おまけにClubhouseのプロフィールには招待してくれた人の名前がずっと残るから、あなたはその友人に長期に渡って感謝されるわけだ。つまりあなたは無料で友達に恩を売ることができる。この「恩」がなぜそこまで大切なのかはこのnoteで詳しく書いたのでぜひ読んでほしいのだが、要するに「目先の小銭のために信用を裏切る」のと同様に「目先の小銭のために恩を売る機会を逃す」のも同じくらい愚かということだ。

一方で、Clubhouseの招待枠をメルカリで転売しまくって大いに儲けてもOKな場合が、実はある。

それはあなたがClubhouseの招待枠をメルカリで買った場合だ。どういうことかって?あなたがメルカリでClubhouseの招待枠を買ったとしよう。するとあなたは自分の電話番号を売り手に伝える。売り手はその番号をiPhoneの連絡先に追加し、Clubhouseから招待をあなたに送る。こうしてあなたは晴れてClubhouseに参加することができ、招待枠を2つ獲得することができる。

この場合、あたなはゲットした2つの招待枠を好きなように扱っていい。もちろん売ってもOKだ。なぜならあなたを招待したのは面識のないメルカリユーザーで、お金のやりとりさえ完結すれば、それ以降もう繋がりはないからだ。もっと詳しく解説すると、あなたがお金を払い、売り手がきちんとあなたをClubhouseに招待した時点で、信用関係は終了する。その理由は以前のnoteで書いたように、このやりとりが「貨幣空間」で完結しているからだ。

「貨幣空間」とはお金を介してあらゆる取引が行われる世界のことで、この空間で生きる人はいかに自分のお金を増やせるかだけを考えている。これと対を成すのが「政治空間」だ。政治空間ではお金ではなく愛情や友情などで結びついた人たちが共同体を構成し、みんなで幸せを目指す。

あなたが面識のないメルカリユーザーから招待枠を買えば、それは貨幣空間での取引だ。お金さえきちんと払えば、その後は何をしてもOK。だからお金を払って手に入れたモノを、自分のお金を増やすために使うことは許される。

例えば1万円払って招待枠を手に入れたとしよう。Clubhouseユーザーになったあたなには招待枠が2つ付与される。これを同じく1万円で売れば、買うのに払ったお金を補えるどころか得をする。売り上げが1万円×2枠で2万円。手数料10%を引いても1万8000円残る。送料はかからない。初めに買うのに払った1万円を引いても8000円儲かる。これは賢いやり方だ。誰の信用も裏切っていない。貨幣空間の中で生じた歪みを適切に利用し、得をしている。僕はこういう頭の使い方は大好きだ。

ついでにお金ではなく愛情や友情などで結びついた人たちが共同体を構成し、みんなで幸せを目指す「政治空間」について言及しよう。さっきの話で出てきた「あなたに善意でClubhouseの招待枠を無料でくれた友達」との関係はいうまでもなく政治空間だ。あなたの友達はあなたとClubhouseの体験をシェアすることで、共に幸せになることを望んでいた。しかしあなたはその善意を、信用をお金に替えてしまい、勝手に貨幣空間にぶち込んでしまったのだ。

「歪みを利用して得をする」ことは素晴らしい。しかしこれを政治空間に持ってきてはいけない。あくまで貨幣空間で完結させなくてはいけない。無理やり政治空間に持ってきてしまった瞬間、あなたは「信用より目先の小銭を優先した人間」として政治空間から追放されてしまう。これはつまり、友達を失うということだ。信用と目先の小銭、どっちが大切なのか。僕たちは真剣に考える必要がある。ぜひこれを意識してみてほしい。

以前も紹介しましたが「貨幣空間」とか「政治空間」とか、この歪みとかを学ぶのには入門として橘玲の「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法 」がおすすめです。一冊読んだらOKというわけでは全くないですが、545円と安いのでぜひ。

それでは素敵な1日を。


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