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雑学note【第23回】クロッケーとクリケット

日本でなじみのないスポーツ クロッケーとクリケット

クロッケーとクリケット。どちらも日本ではなじみのないスポーツで、「ク」で始まるという大きな共通点があるため、混同しがちである。

いや、わかる人にとっては「いやいや、ぜんぜん似てないよ」という感じなんだろうけど、例えば、歴史に詳しくない人が石田三成と明智光秀を「みつ」が付くという理由で混同しがちなのと同じ。

今の僕にとって、クロッケーとクリケットは、どっちかがゲートボールっぽいやつで、どっちかが野球の変形版みたいなやつじゃなかったっけ? くらいの認識である。

それぞれ、どんなスポーツなのか、今日覚えよう。

では、名前が烏骨鶏に近い順に見ていくことにしよう。

クロッケー

クロッケーはイギリスを中心に盛んなスポーツ。表記は「croquet」。1対1か、2対2でマレットという木槌でボールを打ちあって、フープという門を通していき、最後にペグという杭に、先に当てた方が勝ちというゲームである。

老若男女問わず楽しめるスポーツで、ゲートボールのルーツ。芝生のビリヤードと呼ばれるように、正確な打撃や、頭脳的なプレーが要求される。

内容をもう少し詳しく見てみよう。青・赤・黒・黄の4つのボールがあり、青・黒を持つ方、赤・黄を持つ方に別れ、交互に打って、チェックポイントとも言えるフープに決められた順番で通していき、最後、ゴールであるペグに自分(たち)のボールを2つとも当てるのが早かった方の勝ちとなる。

ただし、ボールにフープに通したときと、他のボールに当てたときは続けて打つことができるというルールがあるため、自分(たち)のターンがなるべく続くようにやっていくのがゲームを有利に進めるポイントである。

特に、他のボールに当てたときは、当てたボールに自分のボールをくっつけて打てる「クロッケー・ショット」と「コンティニュエーション・ショット」の2回の追加ショットが手に入る。「クロッケー・ショット」は2つのボールを同時に飛ばせるので、そのコントロールが上手いことできれば、そのあとの「コンティニュエーション・ショット」と合わせて、さらなる連続ショットを狙っていける。

要約すると「ゲートボールっぽい」のがクロッケーである。

クリケット

クリケットは、サッカーについで、世界2位の競技人口を誇るスポーツである。イギリス、オーストラリア、インドとその周辺で特に盛ん。バットとボールを使うスポーツなので、野球と似ているが、クリケットが盛んな地域では逆に「野球? ああ、クリケットみたいなやつね」と言われている可能性が高い。

1チーム11人の2チームが対決する。先攻、後攻で別れて、得点を競う。10アウトか投球数が規定に達すると攻撃終了。両チームの攻撃終了時に点の高い方が勝ちだが、1イニング制なので、後攻が先攻の点を逆転したらそこで終わり。1試合6時間程度かかるらしい。長いので、途中でランチタイムやティータイムを挟むという。

半径70メートルほどの円形のフィールドの中心で、ボールを投げるボウラーと、バットで打つバッツマンが対峙する形になる。

守備の届かないところにボールを打って、ボールが戻ってくるまで走って点を重ねていくというところは野球とよく似ているが、打つ方は360度どこに打ってもいいし、間に合わないと思えば、走らなくてもいい(そうするとアウトにならない)などの違いがある。野球は4つの塁を走るが、クリケットは2カ所を往復するような感じで走る。

細かいルールは割愛するが、特徴的なのは、ウィケットと呼ばれる3本足の棒の柱がバッツマンのうしろに立っていて、それが倒れると1アウトというルール。なので、ボウラーはウィケットを倒すために投げるし、バッツマンはそれを阻止するために打つという印象になる。投球はウィケットにあたればワンバウンドでもいいため、野球と違って、わざとワンバウンドを投げることが多い。

要約すると「野球っぽい」のがクリケットである。

まとめ

ここまで調べても、まだ「クロッケー」と「クリケット」どっちがどっちかわからなくなりそうである。

語源について調べたものの、クロッケーはフランス語の方言で鉤 (かぎ)を意味する言葉。クリケットは「棒きれ」「柱」を意味する語が元ではないかということで、いまいちピンとこなかった。

ただ、クリケットの方はインドあたりでものすごくメジャーで、プロのトップ選手は数億稼ぐというし、そのインドのプロリーグをめざして、プロ野球の広島カープなどで活躍した木村省吾選手がクリケットに転向したことが話題になったりしている(僕は知らなかった)。

木村省吾選手がクリケットで成功したら、そして、それに続いて野球が盛んな日本から、クリケットに転向して成功を収める人がどんどん出てきたらおもしろい。もうクリケットがクロッケーと混同されることはなくなるのだろう。

でもプロ野球からクロッケーに転向する人が出てきたら、またわかんなくなっちゃうかも……。


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