見出し画像

M&A仲介業務の一日~内勤編~

M&A仲介の仕事は大きく3つ。

  1. 「受託面談」:会社の譲渡を検討する方との面談

  2. 「マッチング面談」:受託した企業の買収を検討する方との面談

  3. 1,2それぞれに係る資料作りなどの作業

特にお客様との打ち合わせがなければ、部屋に籠ってひたすら作業をする。
関東以外のお客様が多いため、基本は出張ばかり。
出張の時はなかなか集中して作業もできないので、こういう面談がない日は集中して作業する。

9時~10時 コンサルティング会社との打ち合わせ

受託済みの企業について、現在買収候補企業にお持ちするための概要書を作成中。
受託している企業はとても魅力的な会社だが、少なからずハードルもある。
単独で進めるのが難しいと思われたため、力を借りることにした。
内資系ではトップクラスの戦略系コンサルティング会社と連携して進めているため、その企業とメールで色々打ち合わせ。
良い案件を担当できると、何者でもない私に対してでもこういう素晴らしい会社が力を貸してくれるのは有難い限り。

10時~12時 作業・作業・作業

  1. 受託済みで買収候補企業への提案を進めているものについては、買収候補企業より色々なQ&Aが出てくるので、これを売主に依頼して情報を収集・整理していく役割がある。
    受託済みの1社について、このQ&Aを対応。
    買収候補企業より頂いたQ&Aを売主に依頼し、出てきた資料については買収候補企業の期待水準を満たしているかを確認し、その上で関係各社で共有しているドロップボックスに資料を整理して格納していく。
    難しい作業ではないが、色々な資料に目を通さないといけなく、大変と言えば大変な部類。

  2. こちらも受託済みの企業で、前向きに買収検討を進めたいという企業との面談の設定を調整。業界ではこれのことをトップ面談という。
    売主=譲渡対象企業のTOPと、買収候補企業のトップ=社長が面談する。お見合いと同じだ。

  3. こちらもまた受託済みの企業。1と同様に概要書を作成中だが、売主よりなかなか依頼の資料が出てこないため、状況とハードルを確認して解除。

13時~15時 受託候補企業への提案資料作成

将来的なEXITを目指している企業への提案資料を作成。
既に面談を重ねていて、色々と情報開示をして頂けているので、望まれる状態を実現するためのロードマップを作成。
対象事業について細かくヒアリングと資料提供にご協力いただいたので、会社と事業の実情はある程度理解ができている状態。
何をどれだけやれば、BSがどう変化し、そしてそれに伴ってPLがどう変化するかというのを可視化。
これを次回の面談時にご覧頂きながら、事業計画として今後まとめていく。
その進捗管理をしていくことで、希望される状態が見えてきた状態のときに、EXITに向けた活動を進めることとなる。

15時~16時 電話・電話

  1. 先日M&Aについてのご相談を頂いた経営者との電話。
    大変素晴らしい実績をお持ちの会社で事業規模も大きいが、コロナ影響が大きく、事業承継と含めて色々とお悩み。
    改めてお悩みを色々とお聞きしながら、こちらとしてできることをお伝え。
    選択肢を検討してほしいとのことで、まずは情報開示を進めて頂くことに。

  2. ご紹介を頂いた企業で、初めてのご連絡。
    M&A(買収)戦略を掲げていて、積極的な買収を目指す一方で、譲渡についても視野に入れられているとのこと。
    こちらは私が支援する企業の中でも突出して事業規模が大きく、優良・有力な企業。
    このような企業には多くの選択肢があるので、決してM&A屋にはならないように、社長のお考えを十二分に理解して、客観的な優先順位を一緒に整理していくことが必要だ。
    まずは一度お会いすることになり、アポイントを調整。

16時~18時

受託済みの企業について、リストアップした買収候補企業への提案活動。
本件は私自身初めての業種で、買収候補企業の中にも知り合いが殆どいないので、新規のアプローチ。
電話・WEB問い合わせ・接点がありそうな知り合いへの紹介依頼など、あの手この手でアプローチする。
買収提案をお持ちするという点では、一般的な法人営業と同じだが、M&A(買収)に関しては、特に大企業は前向きに考えている企業が少なくないため、例えばコピー機の営業と比べれば圧倒的に担当者へ接続しやすい。
また検討自体、役員、もしくは社長主導で進められる企業も少なくないため、いきなり社長に繋がったりもする。これはM&Aの特徴だと思う。

18時~

このNOTEを書いておしまい~。

お気づきの通り、受託済み、受託中の企業とそれぞれ何社も並行してお手伝いする。
この仕事で一番大変なのは、頭がこんがらがることだ。
お客様からの連絡も少なくない。
今日一日の中でも、作業をしながら、それとは別のお客様からの電話が入り、その都度頭の中を切り替えないといけない。
各社の財務情報、事業内容をある程度頭に入れておくが、都度これを取り出したりしまったりで、頭の中が大混乱する。

大混乱するので、抜け漏れと勘違いがないようにするのが、実はこの仕事で一番大事なことかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?