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会社の譲渡を考え始めたら準備していきたいこと【M&A日記】

会社の譲渡を今日決めて、明日から譲渡先を探すというのは出来れば避けたい。
準備によって多少なりと評価が変わったり、興味を持ってくれる会社が増えたりということがあり得る。
目的にもよるが、1〜3年ぐらいの準備期間があると結果は変わってくる可能性が高い。

注意点としては、会社を譲渡するというのはあくまで相手ありきの話。
自分の準備が整っていたとしても外部環境が悪いと、それはそれで期待する結果を得られなくなってしまう。
とはいえ将来の予測はできないので、外部環境に関しては結局運による部分が大きかったりもする。

例えば2018年、2019年あたりに譲渡の支援をしたお客様からは、「あと少し遅れてたらコロナ禍にかかっていて、売れなかったかもしれない」ということを言われる。
実際に、2020年3月、当時前職で担当していたM&A案件は全て進行停止した。
私は特にサービス業のお客様が多い為、その影響は顕著だった。

なので、ある程度会社の状態が良く、外部環境も良さそうであれば、速やかに譲渡を進めるのもそれはそれで賢明な判断になる。

さて、準備するというのは大きく以下二つに分けられる。

  1. 評価を高めるため(価格面)

  2. 評価を高めるため(人気面)
    →人気面というのは、買収したいという会社の数

上記以外の目的もあるが、結局は上記のいずれかに繋がってくる。

例えば譲渡後に会社が更なる成長発展を遂げるためということで考えると、退任予定の社長が口を挟まずとも、組織が自立して自ら成長戦略の検討と遂行を行えるようになっていることが望ましい。
そこまではいかないとしても、社長がいなくなったとしても現在の事業は維持される状態には少なからずしておきたい。

これを実行すると結果的には価格面・人気面と双方の評価に繋がる。
社長が退任しても影響ないということは、代替が不要ということなので、社長の報酬は丸々削減されるという見込みで、譲渡後の利益を考えられる。
譲渡後の利益をベースに株価は検討されるため、結果的に価格が上がることに繋がる。

また、買収側の企業は、必ずしも人員が潤沢ではない。
マネジメント人材を送り込むということができないこともあり、そういう会社にとっては自立していない組織の買収はできない。
予め社長がいなくとも事業が問題なく運営される状態を作っておくことで、そのような会社も買収検討したいと手を挙げられることになり、結果的には人気面での評価が上がることに繋がる。

以降はもう少し具体的に価格面・人気面の評価を高めるための準備について連載していこうと思う。

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