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会社を譲渡する前に、準備しておきたいことpart②【M&A日記】
先週のpart①に続いて。
【その③】役員報酬<会社利益
役員報酬をたくさん取られている場合は、役員報酬額を少なくして会社にお金を貯めていくことをお勧めする。
とられている役員報酬の金額にもよるが、結果そのほうが手残りが多くなる可能性があるし、何よりBS(貸借対照表)の良い会社は、良く見られやすい。
BSの良い会社は堅実な経営をしているとみなされがちで、好印象を提供できる。
手残りの比較はこんな感じ。
役員報酬を5,000万円取っている場合、所得税・住民税・社会保険料を差し引くと、手残りは2,761万円となる。
これを会社に残す場合、実効税率33%とすると、3,350万円会社のキャッシュが増える。
そして会社を譲渡すると、20%の税金がかかるので、3,350万円から20%を引くと2,680万円。
5000万円でこの計算だけだとトントンぐらいになるが、法人なら節税の対策を色々ととれる。
結果より多くのお金を会社に残すことができるようになれば、その分だけ譲渡時の手残りが増えることになる。
【その④】従業員への通知
これは私の考えだが、譲渡を進める前に、できれば何年も前から、将来的なM&Aによる譲渡の可能性を示唆しておくのが良いと思っている。
通知をせずにいざM&Aを進めると、どうしても誤解される可能性から、ギリギリまで、もしくは事後でないと従業員へ伝えるのは難しい。
しかし、予めそういう可能性を示唆しておくことで、それに向けて心の準備ができたり、社長依存ではなく自立することの動機づけにもなりうる。
実際に過去に譲渡支援した会社でそういう事例があった。
何れそうなることを随分前から伝えていて、またその目的や相手選びの考え方なども共有されていた。
いざ動き出すときにも、最初に従業員に伝えられた。
元々そうなると分かっていた従業員に動揺はなく、そうならばさっさと次の経営者に変わってもらいたい、というぐらいの受け取り方をされ、それぞれの役割への責任意識の強さに感銘を受けた記憶がある。
伝え方はとても重要だが、うまく伝えておけると、いざ動くときにとても動きやすくなる。
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