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売却規模とPEファンドの関係【M&A日記】

PEファンドは投資規模によって、ラージキャップ、ミッドキャップ、スモールキャップと何となく分けている。

スモールキャップはEV(企業価値)が30億ぐらいまで。
ミッドキャップは30から100億ぐらいまで。
ラージキャップはそれ以上というような感じ。

このサイズ、ファンドには結構大事。

ファンド自体にも規模があって、小さいところは数十億円から、大きいところは1000億円超。
外資だと兆円を超えたりする。

1000億円のファンドだと、それだけの投資をしないといけない。
一件あたりの投資額が10億円だと、100本の投資が必要。
100の投資先を管理するのは現実的でないため、10億だと規模が小さすぎる、ということになる。
ある程度ファンドの規模に合わせた投資が必要になる。

また、PEファンドはリターンを大きくするために、レバレッジをかける。
投資先の株価が100億だったとして、ファンドが丸々100億を出すのではなく、例えばファンドから50億、借入で50億というように調達する。
なので、ファンドマネーの消化という観点では、投資規模の半分ぐらいしか実際には消化されない。

50〜100億ぐらいの投資先なら、その半分がファンドマネーとして、25〜50億円ぐらいを消化できるイメージ。

国内のPEファンドは100〜1000億円ぐらいの規模が多い。

このサイズを消化することを考えると、どのサイズに人気が集中するか。

そう、ミッドキャップに人気が集中する。
スモールキャップに投資していては、ファンド資金が消化できず、投資家に十分なリターンを還元できなくなってしまう。
なので、ミッドキャップに積極的に投資したい。
一方でミッドキャップの、ファンドが投資したくなるような魅力的な案件はそうたくさん出てこない。
需要は多く、供給は少ない。

ということで、成長企業のオーナー経営者は、自社の売却額がミッドキャップに入ってくるまで成長させてから、EXITの道を選ばれてはどうか。

需要が多い分だけ、魅力的な提案を受けられる可能性が高いはず。

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