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歴史からも学べる事業承継!?

こんな本に出会いました。

大名は経営者というよりは政治家か。
なので事業承継というよりは、歴史から学ぶ世襲、というほうがピンとくるかも。

戦国時代はバリバリの家督相続による世襲制。

今なら跡目候補が多くても、長男が自動的に昇格とか、あるいはそもそもやりたい人がいないなんていうことで、そんなに揉めることもなさそうだ。

でも当時はなんてったって戦国時代なので、跡目を継げるかどうかは、その後の生き死ににも繋がる。
戦乱の時代では、養子が当たり前なものだから、子供同士は血が繋がっていないのもしばしば。
子供同士、それぞれの出自を代表してバチバチになる。
跡目争いに勝ったら、自分の地位を脅かすかもしれない兄弟は、血も繋がってないし、倒してしまおう、なんていうことになる。

上杉家がまさにそうなった。

謙信は後継者を決めずに急逝(これ大問題)。

実子がいなく養子2人(景勝、景虎)が跡取り候補。
やはり仲が悪く、謙信没後に即跡目大争いに。
結果景勝が勝利、承継したが、この争いによって上杉家は分裂して大いに弱体化した。
上杉家は存続したけど、めっちゃ弱くなったから事業承継失敗。

本の内容を思いっきり要約すればこうなるが、何故謙信は後継者を決めていなかったのかなどの背景の他、普通に謙信についてしっかり勉強できる歴史本になっている。

本の内容を経営に結び付けるのならば、会社はやはり目的、理念が大切だということを改めて考えた。

戦国時代の跡目争いというのは、要は権力闘争だ。
政治の世界で見れば、人を殺すことはしないまでも、権力闘争という側面は今も変わらずに残っている。

これが、会社の中で起きてしまうと厄介だ。
権力闘争は会社の目的とは関係ないことであり、内部分裂は組織の弱体化を招くので何もいいことがない

会社というのはそもそも共通の目的のために集まった組織のことだ。
そこに100人の人がいるだけではただの集団だが、その100人が同じ目的をもって活動し始めると、それは組織になる。

この目的がいわゆる経営理念とかビジョンとか言われるものだ。

組織における職位はあくまで役割分担であり、組織を円滑に目的に向かって操舵するためにある。
職位ごとに与えられる権限というのも、全く同じだ。

しかし、権限を権力と勘違いし、自己評価や保身を目的に権力争いを始めてしまうと、組織の目的とは全く関係のないところで組織が崩壊していく。
謙信の跡目争いも、本来であれば上杉家の繫栄のために、それぞれが協力しながら、適切な役割分担と権限のもとで活動していくのが望ましいが、無論そういう時代ではなかった。
結局権力闘争が上杉家を弱体化させてしまった。

自社の組織が目的型になっているかどうかで、事業承継の成功率はウンと変わるだろう。
権力争いをするような人間がいると、一気におかしくなってしまいかねない。

身を引き締めていきたい。

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