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誰にでもわかる、硬いことは抜きにした経営計画の作り方 ~最終日~

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三日目で中長期の目標を設定するところまで話したので、今回はその目標を実現するための手段について。

図にした方が分かりやすいと思ったが、分かりやすい図を作るのが意外と難しかった。。

これまでをざっくりまとめれば以下の通り。
初日:何をしたいのか?を決める
二日目:目的をどうやって実現するか?を決める。あくまでここでは経営計画の話をしているので、具体的には「誰に何をどうやって売るか」を決める。
三日目:戦略を「いつまでにどれだけやるか」決める=目標設定。

ここまで決まっていれば、もうやるだけと思いきや、まだ早い。
例えば来年の売上目標は今年の1.2倍と掲げて、よーいドン!とやっても、従業員からすれば、「え?何?今年の1.2倍働けってこと?どうやって1.2倍にするの?」となる。
こうなると、従業員の不満タラタラ。
気合と根性の経営は持続性がないので、すぐ会社がダメになってしまう。

なので、目標を実現するために、今うちの会社って何が足りてないの?を考える。
会社の課題を明確にして、その解決策を考えていく。

現状では出来ない目標を設定するので、必ず課題があるはずだ。

例えば5年で毎年2店舗、計10店舗出店するという目標が決まっているのなら、同時に社員を3人×10店舗=30人採用する必要が出てくる。
年間6人ずつの採用が必要で、それってどうやるの?を考える。

5年で売上を倍にする、かつそれを社員増ではなく既存社員だけでやる、と決めたとすると、社員の生産性を倍にする必要がある。
・社員教育によって生産性を改善する
・テクノロジーの導入によって生産性を改善する
など。

会社が活動するための手段は基本的には人=組織なので、組織が最強ならどんな戦略も実行できて、成長していけるということになる。
しかし、現実の組織はなかなか最強とはならないので、そこには色々な課題があって、戦略を遂行して目標を達成するには、現状では足りないということになる。
それを埋めていく作業こそがここで決めることであり、経営用語ではこれを戦術と呼んだりする。

私が最初に努めたコンサルティング会社では、この戦術の考え方として以下3つを定義していた。

  1. 組織風土-組織がより効果的に活動するために、適切な風土を醸成する

  2. 組織構造-組織がより効率的に活動するための、組織の構造を検討する

  3. 人材能力の向上-個々人がより高い成果を創出するための能力向上を検討する

先の例に挙げた、人が足りないので採用を進めないといけない、というのは2.の組織構造にあたる。
また、売上を倍にするための個々人の生産性を改善するというのは3.の人材能力の向上にあたる。

今の時代で考えると、テクノロジーが個人の代替になることも十分にあるので、代替技術の検討を4番目に入れて考えるのが良いかもしれない。

これで経営計画は完成だ。

あくまで大枠の話をしているが、これだけの理解でも実際に作ってみればそれなりのものにはなる。
細かいところは、実行していきながらまた考えればいい。

また、いざ実行していくと、当然ながら計画通りに物事は運ばない。
やってみて、だめなら再検討してまた実行。ダメならまた再検討して実行。

この失敗→再検討→実行、のスパンが早ければ早いほど、改善能力の高い組織ということになり、その分だけ成長が期待される

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