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異業種出身であることが強みになること

私の仕事における主戦場は飲食業界。
残念ながらコロナの影響で、ここ数年飲食業界での思ったような活動は全くできていないが、この業界を深堀していきたい思いは変わらず。

さて、10年間、飲食業界を主戦場としてM&A仲介の仕事をしてきたので、その間に出会った飲食業経営者の数は数えきれないほど。

そこで、うわーこの経営者凄いな、と思った時に、その出身が飲食業界ではないということがたまにあった。
どんな業界でもそうだが、同じ業界にずっといると頭の硬直を招きやすい。
異業種から入ってくることで、業界の当たり前に疑問を投げかけて、異端なことにチャレンジしやすく、そしてそれが新しい風を吹かせたりするのだろう。

2019年に上場企業のフジオフードシステム社が、兵庫県の有限会社暮布土屋(くらふとや)という会社を買収した。
土山人という蕎麦屋をご存じの方がいるかもしれないが、その運営会社だ。

私は当時の渡邊社長と何度かお会いしていて、最初はシンプルにお店にハマった。
すだち蕎麦が美味しく、そして店舗によって土壁を用いた古民家だったり、ネオンを用いた少しモダンな店づくりになっていたり、遊びがあってお店がかっこよかった。
そんなお店を作った渡邊社長はアパレル業界の出身で、私も詳しくはないがアメリカの先端ブランドを輸入して躍動していたらしい。
私がお会いしていた当時も、別会社で雑貨づくりなどをされていて、大手アパレルブランドと連携した斬新なものを作られていた。
修行して身につけられた蕎麦職人の腕に、こういったセンスが合わさったことで、あの魅力的な土山人のお店が出来上がったのだろう。

焼肉牛角を超速スピードで展開されて、今尚焼肉ライクなどの新しい業態で活躍されている西山社長も、牛角を始める前は不動産会社の経営者だ。

逆のパターンもある。
飲食業の経営者が介護業界に参入して大成功しているパターンがある。
飲食業界で当たり前に提供していたサービスレベルや、いわゆるおもてなしの精神を介護業に導入したことで、他社と一線を画した事業になった。
お客さんさえ来てくれれば、介護保険制度によって国がお金を払ってくれるシステムは、飲食業経営よりも事業性が高いと感じられて、今や介護事業のほうが飲食業よりも大きくなっている。

単に異端の風を吹かせるということではなく、外から業界を客観視することで見えてくる業界の課題に対して、独自性を持った解決策の提案ができるかどうかということだと思う。

私もそんな仕事をしていきたい!

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