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退職金は2400万円が正解【M&A日記】

前回の記事で、株式を譲渡する際にその一部を退職金として受け取ると、税引き後の手残りを結果的に増やすことができる、と書いた。
退職金の優遇税制とは

株式譲渡益に対する税率は復興税込みで20.315%なので、これを退職金の税率が上回らない以上は、退職金として受け取ったほうが良いということになる。
では退職金でいくらを受け取るのが良いのかというと、これが表題の2400万円だ。

但しこれには条件がある。

  1. 2400万円が、役員退職慰労金として適切な金額であること
    →役員退職慰労金は税務上の損金にあたるので、支払う会社としてはそれによって税金を減らせる効果もある。
    しかし、金額が大きすぎると損金として認められなくなり、今度は逆に会社の負担がとても大きくなってしまう。
    2400万円が損金としても認められる範囲であることが必要。

  2. 対象会社にそれを支払える現金があること
    →株式譲渡対価は買う人間が支払うが、退職金を支払うのは勤めていた会社だ。
    会社に2400万円の現金がなければ払えないし、あったとしても退職金を支払うことによって資金繰りに問題が生じてしまうようであれば、それも問題。
    足りない場合には、買い手が対象会社にお金を貸し付けることもある。

上記条件をクリアできるなら、株価総額のうち2400万円を退職金としてもらうことで、200万円強、手残り金額が増えるはずだ。

ちなみに役員退職慰労金は以下の計算式で計算されることが多い。
最終報酬月額×役員在任年数×功績倍率

また、功績倍率はこのような感じで用いられることが多い。
社長:3.0
専務:2.5
常務:2.5
平取締役:2.0
監査役:2.0

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