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何にこだわってたんだろう

中川ヒロエ

高校からの帰り道、ちょっと寄り道しようよ、と
出来るくらい近くに海がある、
香川の海べの街で育った。

海と、心の距離がまず近くて、
目を閉じると凪のある
キラキラした静かな海面や
友達と自転車を飛ばした
そこに続く坂道がすぐ浮かぶくらいに。

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だから離れていると、本当に海が恋しくなる。

今の住処から海は遠いので、
夜眠る時、波の音が聞こえたら
どんなに幸せな気分で眠れるだろうかと時々思う。
休みが出来たら、車を飛ばして出かけようと思いつくほど。

帰省の時は、海に出かける楽しみ込みだ。

父も子供の頃から海と育った。
実家で暮らしている弟も同じ。
釣りをしたり泳いだり船で海に出たりするので
お天気と潮の満ち引きをチェックすることは、日常なくらい
生活の中に海はある。
うちで食べる魚介類は、採ってくるのが普通。
なかなか原始的で、とてもよいと今では感じている。

この夏も楽しみにしていた。
でも、あいにくの雨続き。

それでは、といつになく
漫画を一気読みしたり、のんびりしたのだけれど。

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やっぱり海に行きたい。見たい。浸かりたい。

思い立ったらすぐ行ける。
どの浜に行こうかと話しながら車に乗った。

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海沿いの道に出たら、もう!

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どこから入ろうかとそればかり。

雨でほとんど人がいない。
車中で泊まれるバンが一台停まっていたけれど、
SUPに網を乗せて漕ぎ出てしまった。
もう私たちだけ。

そして入江の砂浜に降りて。

泳ぐ。

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海に入ると本当に素直になるのがわかる。

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私はもう、自分の心に嘘をつかず
流れるように自然に生きようと決めているので
無理やこだわりはずいぶん無くなったと思っていたのだけれど。
それでも。

いったい何にこだわってたんだろう。

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海から上がるといつもほんの少し眠たい。

お風呂に入って、髪を乾かしながら、
裸んぼうみたいな服を着よう。
胸の膨らみや腰のカーブの豊かさを
たっぷり味わえるような。

子供たちが巣立ったら、
海が見える場所で暮らしたいと思っている。

それが生まれ育った場所なのか、
恋に落ちるように好きになる、どこか知らない場所なのか、
今はまだわからないけれど。


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