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海外旅行の醍醐味

読んだ本:益田ミリ「美しいものを見に行くツアーひとり参加」

【さらっと紹介】

イラストレーターである益田ミリさんが、40歳になって美しいものを見ておきたいと思い立ち、各国ツアーに一人で参加。旅先で出会った人や出来事をイラストを交えながらゆるっとレポートしたエッセイ。

【感想】

海外旅行のときめきを追体験させてくれるエッセイ。本の初っ端は旅の準備よろしく、益田ミリさんご本人の旅スタイル(スーツケースの入れ方や旅行で使うポーチなど)の紹介や旅行会社での旅の手配の会話レポから始まり、自分の旅スタイルと重なるところ・違うところを探して旅の準備のワクワクが蘇る。

そうそう、スーツケースの行きはなるべく半分くらい空にして、帰りにお土産を詰め込むんだよね〜〜わかる。飛行機の機内は異常に乾燥するから、マスク複数枚、、わかる。ただ私はナッツは持ってかないな。(食べすぎるとお腹にガスがたまりすぎて腹痛になる)

本では6つの国に行った時のエッセイが記載されているのだが、一番印象深いのは最初の北欧オーロラ旅、次点でフランスのモンサンミッシェルの回。

オーロラは昔からずっと見たいと思っていたものの実現できていない旅行先の一つで、「実際どんなもんなんじゃい」という先人の感想を聞いている気分。オーロラを見るという運試しにも似た旅行は、楽しいというよりももはや禅修行に近いものを感じる。

モンサンミッシェルの回は、以前友人とまさにモンサンミッシェルを旅行した時のことを彷彿とさせる。益田ミリさんはツアーだったようで特に難なくバスに乗ってモンサンミッシェルについているが、ツアーでなかった私と友人にとっては尋常でなく大変な道のりだった。

ここからは私の旅行時の回想。パリから移動して最寄駅からさらにバスに乗り換えるのだが、乗り換え時間が5-10分ほどしかないうえ英語表記がないのでどのバスに乗るかちっともわからないという地獄・・・フランス語で「バスはどこですか」をググって話すも聞き取れないようで、結局英語で話す始末(即席フランス語喋ったあの勇気を返してくれ)。当日の最終バスだったので乗り遅れると変わりのバスもなく、宿泊先のモンサンミッシェル向かいのホテルにもたどり着けないというデス・ロードであったが、一応なんとか運よく着いた。(よってここに行くならツアーがオススメです)

本の話に戻るが、モンサンミッシェルの回もそれ以外の回でも、ほかのツアー客との交流が記録されている。ちょっと面倒なツアー客、仲良くはならないんだけど顔見知りになってプチ情報を共有する客・・・あるある!自分のデンマーク旅の時は同い年くらいのイケメン慶應大学生となんども同じところでばったり会い、一緒に行った友人と骨肉の争いをしかけたりした(してません)。

この本ではツアー旅行のエッセイが書かれているので、あまり海外旅行トラブルおもしろ話はないが、私は実はそっちの方も好きだ。海外旅行特有のあのめんどくささやヒヤヒヤ感は、海外旅行でないと味わえないもので、それが面倒なのをわかっているのにやっぱりどうしても行きたくなってしまう。登山家が山に登って死に向きあった時に生きてると実感するように、私にとってはあの面倒くささやヒヤヒヤ感が生きてる実感を得られる瞬間なのだ。

あーー、早く海外旅行に気軽に行きたいっ


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