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マルクス・アウレリウス『自省録』ポイント解説①
この記事をご覧くださり、本当にありがとうございます。
前回に引き続き、マルクス・アウレリウスの『自省録』について取り上げていきたいと思います。
マルクス・アウレリウスって?『自省録』って?
という方は、ぜひ前記事もご覧くださいね!↓↓
さて、今回はさっそく、内容の方に入ってみたいと思います。
『自省録』と言えば、通常版はとても内容が重厚で、ゆっくりと深めて読む必要があります。
参考までに、通常版の『自省録』はこちらです。↓↓
とはいえ、『自省録』の内容は膨大で、全てをご紹介するのは大変です。
そこで今回は、「超訳・自省録」を教材に、さらにポイントを絞ってお伝えしていこうと思います。
できれば毎週1回で、数回で終わるといいな♪と思っています☆笑
第1回目は、超訳版1・2章から8つの言葉ををご紹介したいと思います!
1章 「いま」を生きよ
![](https://assets.st-note.com/img/1701327852714-kzWXMOYo56.jpg?width=800)
1.時は過ぎ去り、二度と戻ってこない
思い起こしてみよう。君はいったい、どれだけ前からずるずるとひきのばしてきたのか?
なんども機会をあたえてもらいながら、それを有効に使ってこなかったのではないか?
もうそろそろ自覚すべきではないだろうか。
君がその一部である宇宙とはどんなものであり、君を生み出したパワーがどんなものであるかについて。
そして、君にあたえられた時間は制限つきだ。
この限られた時をつかって、心の雲を払いのけ、光を取り戻さなかったなら、時は過ぎ去り二度と戻ってこないだろう。
人間が与えられた時間は有限です。
通常版では特に、
「神々から時間や機会を与えられてきたにもかかわらず、有効に使ってこなかったのではないか?」
と自分を叱咤激励しています。
自分もまた、宇宙の構成要素の一部であり、自分の心がけ次第で光を取り入れることが出来る。
ただし、それを自覚し、今しかないこの一瞬を大切にしない限り、「時」は二度と戻ってくることがないだろう、という戒めの言葉です。
2.人生最後の仕事であるかのように取り組め
いつどの瞬間においても、いま目の前にある仕事には、正確で偽りのない真剣な態度で取り組むこと。
優しく、しかも自発的に、正義をもって取り組むこと。ほかのことには気を紛らわさず、人生最後の仕事であるかのように取り組むこと。
無目的にも、感情的にも、偽善的にも、自己中心的にも、怒りっぽくもならないように取り組むこと。
充実して敬虔な人生を送るためには、いかにわずかなことで十分かわかるはずだ。
神々もまた、それ以上のことは求めていない。
通常版では、「愛情をもって、独立と正義をもって果たせ」、とあります。
現在の仕事に対して真剣に、愛と正義をもって、人生最後の仕事であるかのように取り組むこと。
その際に、偽善や利己心をもたないこと。
そのような姿を、神々も祝福されるでしょう。
…この考え方は、私たち現代人にとっても大切ですね!
9.心を乱されるな
これまで生きてきて、これからも続いていく全人生のことを考えて、心を乱されることがないように。
これからも、さまざまなトラブルに見舞われることになるのだろうなんて考え込んだりするのは、やめたほうがいい。
だが、トラブルに見舞われた際には、いつでもこう自問してみることだ。
「このできごとの、いったいなにが耐えがたいのか?」と。
こんなことを告白することは、恥ずかしいことに違いない。
つぎに、こう考えてみることだ。
「未来でも過去でもない、現在だけがわたしの心を圧迫するのだ。
その圧迫だって、それだけを切り離してしまえば、どうでもいいほど小さなものになってしまう。
しかも、そんなことにすら耐えられないというのであれば、自分の心を叱り飛ばしてやればいいではないか」と。
これからの人生にどれほどの苦労が待っているのだろう、と一喜一憂して、心を乱されてはなりません。
大切なのは、未来でも過去でもなく、常に現在生きている自分であり、直面する苦難・困難だって、それだけを切り離して考えてみれば、小さなことになってしまいます。
このことの何が耐えがたく忍び難いのか?
そう言ってのけるぐらいの平常心と忍耐力を持ちたいものです。
10.人間の一生などほんの一瞬だ
君は、心を悩ます多くの無用なものを取り除くことができる。
そういったものは、まったくもって君の思い込みから生み出されたものだからだ。
そして、つぎのようにすれば、広大な空間を自分自身のために確保できる。
まずは、思考で全宇宙を包み込み、永遠の時を熟考すること。
あらゆる変化がいかに急速であり、君が生まれてから死ぬまでの時間がいかに短く、誕生前の無限の時間と空間の広大な拡がりが、死後もまたおなじであることを観察すること。
人間の持つ悩みの種は、多くの場合主観的なもので、切り捨てることができる。
さらに、通常版では「全宇宙を君の精神で包容し、永遠の時に思いをめぐらし」とあります。
全宇宙まで自分の精神を広げ、永遠の時の流れを感じることが出来れば、この世での些細な悩みの種など、すべて消え去ってしまうものでしょう。
また、人生はいかに短いものか。
人の誕生以前と死後の、時間と空間の広がりが、いかに変わらず永遠のものであるか。
そう考えると、もっと広々とした考え方ができるようになるのではないでしょうか。
15.過去を知れば未来は予見できる
過去を振り返ってじっくり考えてみよ。
王朝の栄枯盛衰の繰り返しを。
未来を予見することもまた可能だ。
というのは、すべてのものごとは現在と確実におなじ形で未来にも登場し、ものごとの移り変わりのリズムから外れることなどないからだ。
だから、四十年も人間生活を観察したら十分だろう。
一万年も観察しようと、なんら変わりはない。
これ以上いったい、なにを見るというのか?
過去を知り、現在の流れをつかめば、未来のことだって予見できる。
全ての物事は、現在と確実に同じ形で未来にも表れてくるから。
人間の人生を40年も振り返ってみれば、そこから過去の教訓を見出し、未来を知ることができます。
人生を1万年も観察する必要はなく、今までの過去の人生を振り返るだけで充分、今後の対策・方針を打ち出していくことが可能なはずです。
2章 運命を愛せ
![](https://assets.st-note.com/img/1701327927896-lAncfP5fBm.jpg?width=800)
19.運命がもたらすものを歓迎せよ
肉体、魂、知性。
肉体には感覚。
魂には欲求。
知性には原理。
動物ですら、かたちからものごとを理解する。
野獣ですら、欲望をあやつる糸に支配されている。
神々を否定する者や、自分の祖国を裏切る者、見えないところで悪事を働く者ですら、知性によって自分が最適だと思うものごとに導かれている。
もし、それ以外のものが、すでに述べたことと共通であるなら、善き人にとって唯一無二のものとして残るものはいったい何だろうか?
それは、運命がもたらすものを愛情もって歓迎することだ。
「内なる精神」を誤った信念で汚したり、邪魔したりしないかわりに、静かに神に従い、真実に反する噓偽りは口にせず、正義にもとることも行わずに、「内なる精神」を忠実に保つこと。
シンプルで慎み深く満足した人生を送ってきたことを、もし他人が認めなかったとしても、それに対して怒ることはない。
運命がもたらすものを愛情をもって歓迎すること。
これが、善人の特徴といえるそうです。
自分の「内なる精神」を汚さずに保ち、秩序正しく神に従うこと。
たとえ他人から認められなくとも、誠実に、謙虚に、善意をもって生活していくことが大切です。
28.起こることはすべて自然なことだ
人間的でないことは、どんな人間にも起こらない。
雄牛にも、ブドウの木にも、小石にも、それぞれにとって自然なことしか起こらないというのに、なぜ君は文句を言うのか?
いや、文句を言う理由などないはずだ。
というのも、あらゆるものに共通する自然は、耐えられないものを君にもたらしはしないからだ。
人間には人間にとって自然なことしか起こらない。
動物にも植物にも、それぞれにとって自然なことしか起こらない。
宇宙の自然は自分に耐えられないようなものはもたらさない。
つまり、自分には乗り越えられない!と思うような苦難困難がやってきたとしても、本来、乗り越えられるようなものしかやってこないはずだ、とのことです。
こう信じることで、自分を鼓舞し続けることができるのでしょう。
31.あるがままの姿で見よ
君に悪事をなす人がもつような思い込み、あるいはそういう人が君にもたせたいと思っているような思い込みをもたないこと。
ものごとは、あるがままの姿で見ることが重要だ。
悪意ある人の意見や、悪意ある人が人間に抱かせたいと企んでいる考えを持たないこと。
つねに物事を悪意や偏見なく、ありのままの姿で観ることが大切であること。
公平な視野を持つことの大切さを教えてくれているのかと思います。
〈まとめ〉
![](https://assets.st-note.com/img/1701328036526-0JdNlzcUwS.jpg?width=800)
いかがでしたでしょうか。
1・2章の8選をもう一度まとめておきましょう!
1章 「いま」を生きよ
1.時は過ぎ去り、二度と戻ってこない
2.人生最後の仕事であるかのように取り組め
9.心を乱されるな
10.人間の一生などほんの一瞬だ
15.過去を知れば未来は予見できる
2章 運命を愛せ
19.運命がもたらすものを歓迎せよ
28.起こることはすべて自然なことだ
31.あるがままの姿で見よ
『自省録』とはマルクス・アウレリウスの内面の記録でもあり、その深く広がる世界観は宇宙にまで繋がっていきます。
『自省録』のポイントを分かりやすく伝えようだなんて、なんという企画を始めてしまったのだろう、と私も途中から冷や汗ものでしたが💦、なんとか形にすることができたかな、とは思います。
『自省録』、難しそうで手が出ない…なかなか読む機会がない…。
そんな方にとっても、分かりやすいきっかけとなれば幸いです!
それでは今回はこの辺まで!
最後までお読み下さり、ありがとうございました☆
※「自省録」のマガジンをつくりました☆
本日の記事もこちらに所収します。
頑張って完成させてみますので、温かくお見守り下さい♪
※自己紹介とサイトマップをつくりました♪
今までの全記事一覧も載せていますので、よかったら参考にしてみて下さいね!
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