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パーソナルブランディングとは何か?実践する上での最も重要なポイント

どうも!ブランドコンサルタントの中江です。

今日は「パーソナルブランディングとは何か?実践する上での最も重要なポイント」というテーマでお話していこうと思います。

パーソナルブランディングというと、言葉通り

個人や自分自身をブランド化する方法

だと考えている人が多いと思います。

それは半分正しいのですが、正確には少し違います。

1.パーソナルブランディングとセルフブランディングの違い

というのも、この「パーソナルブランディング」と似た概念に「セルフブランディング」という概念があるからです。

両方とも「個人や自分自身をブランド化する方法」として理解されている場合が多いのですが、一体何が違うのかというと、ブランディングを実践する主体が組織に属している個人か組織に属していない個人かによって変わります。

結論から言うと

✅パーソナルブランディング:組織に属している個人が実践
✅セルフブランディング:組織に属していない個人が実践

となります。

1-1.セルフブランディングとは

セルフブランディングは組織に属していない個人をブランディングすることを指すので、主に、個人事業主やフリーランスの方を指す言葉になります。

例えば、フリーランスのWEBデザイナーが、自身の「認知度」を高めるために、ブログやSNSで情報発信を始めることは、セルフブランディングの活動の一環になります。

組織に所属していないので、ブランディングに関する方針は、全て自分自身で決定していくことになります。

1-2.パーソナルブランディングとは

一方で、パーソナルブランディングは、会社組織の中の経営者や従業員が実施するブランディング活動のことを意味します。

その際のブランディングの方向性というのは、組織のブランディングの方向性と整合性が取れるようにします。

例えば、芸能事務所に所属するアイドルなんかが分かりやすいかもしれません。

芸能事務所には、アイドルをどのように売り出したいのかという明確な方針があって、アイドルたちは基本的にその方針に沿って、活動を実施します。

自分の都合で好き勝手に、ブランディングの方針は決めることはできません。

これがセルフブランディングとパーソナルブランディングの違いです。

セルフブランディングについては、この「セルフブランディングとは?個人をブランド化する方法を徹底解説」という記事で詳しく解説しているので、興味がある方はご覧ください。

2.パーソナルブランディングとは

さて、今日の本題は「パーソナルブランディング」です。

パーソナルブランディングとは、個人をブランド化することを通して、組織をブランド化することに繋げるブランディングの方法です。

・「ブランド化する」とは、そのブランドの

✅認知度
✅知覚品質
✅ロイヤルティ

を高めていくということです。

認知度とは、そのブランドの存在を認識している人が、どれだけ多くいるのかという度合いのことです。

この認知度が高ければ高いほど、商品・サービスの選択の際に、顧客層の選択肢に入り、選ばれる可能性が高まります。

そして、知覚品質とは、ブランドに対するイメージとしての品質のことです。

これも選ばれるために非常に重要な要素です。

人は、日々接する様々なブランドに対する情報や、自らの体験によって、ブランドに対するイメージを形成します。

例えば、ターゲットの見込み客は、ハイクオリティーな製品のHPを見ることで、「このカメラの品質は高そう」と、利用する前にイメージを抱いて、購入します。

なので、この知覚品質が高いと、選ばれる可能性が高まります。

そして、最後のロイヤルティとは、顧客の忠誠度のことで、これが高ければ、口コミやリピートが自然と広がるようになります。

この「認知度」「知覚品質」「ロイヤルティ」という3つの要素が究極的に高まっていくと、

このブランド以外の選択肢はあり得ない

という印象が形成されていきます。

そうなってくると、比較検討されずに選ばれる存在になっていきます。

個人の活動を通して、ブランドの「認知度」「知覚品質」「ロイヤルティ」を高めていく唯一の方法は、リアルとネットの情報発信を通じて、ブランドの背景を伝えていくことです。

特に、組織として初めてパーソナルブランディングに取り組む場合は、そのブランドの顔となる代表が発信することがポイントです。

例えば、2017年の8月に、サービスが正式スタートし、2020年に一気に拡大したビビットガーデンの「食べチョク」というECサイトがあります。

画像出典:https://www.tabechoku.com/

食べチョクは、全国各地でこだわりの野菜や肉や魚などを生産している生産者から、一般消費者が直接、食材を買える、産地直送のECサイトです。

2020年12月時点で、登録生産者は3300軒を突破していて、数ある産直ECサイトの中で

✅お客様認知度
✅お客様利用率
✅お客様利用意向
✅Webアクセス数
✅SNSフォロワー数
✅生産者認知度

の6つの項目でNo.1に、コンスタントに月間100万人以上がサイトに訪問していて、年間流通総額は数十億円規模になったECサイトです

この「食べチョク」がヒットした要因は様々分析できますが、私は、代表の秋元里奈さんが、食べチョクを広めるべく、前面に立って、情報発信をしてきたことが大きいと思います。

画像出典:https://news.1242.com/article/246741

秋元さんは、神奈川県相模原市にある農家の長女として生まれました。

実家が農家であり、その広々とした畑に色とりどりの野菜が育っていることが何よりも嬉しく、自分にとっての誇りでした。

ですが、母親からは

農家は継がなくていい。農業は儲からないのよ

と言われていて、遂に中学生の頃に、実家の農業は廃業してしまいました。

秋元さんは、その後、DeNAに就職し、久しぶりに実家に戻った時に見た畑は、完全に荒れ果て、作物が一つも実っていませんでした。

その光景にショックを受け

農業の業界に貢献したい。懸命に野菜を作っている農家さんたちが報われる社会を作りたい

と強く思ったそうです。

全国に、こだわりを持って作物を育て、家畜を育て、魚を獲っている方達はたくさんいますが、既存流通の構造的な問題で、正当な利益を得られていない生産者がたくさんいます。

既存流通は、規格に合った作物であれば全量買い取ってくれたり、コンテナのまま出荷できるので手間が少ないというメリットがあり、食材を安定供給するためには重要な仕組みです。

しかし、一方で、生産者自身が納品する作物の価格を決めることができず、規格に基づいた一律の金額でしか買い取ってもらえません。

どれだけ作り方にこだわっても、そのこだわりが価格に反映されることはないのです。

例えば、どれだけ、とびきり美味しい無農薬の梨を作っていても、サイズや色が規格に合っていなければ、買い取ってもらえないのです。

食べチョクは、こうした生産者のこだわりを付加価値にし、正当に評価される仕組みを作ったのです。

具体的には、食べチョクに出品すると、それぞれの食材の販売ページを作ることになるのですが、

✅それはどんな土地で育ったのか?
✅どんなこだわりを持って育てたのか?
✅育てている人はどんな人なのか?

という背景が詳しく書かれています。

そして、価格の決定権は、生産者にあります。

自分が「正当だ」と思う価格をつけることができて、それを理解してくれた消費者が購入するのです。

一方で、既存流通は、価格の決定権がないだけでなく、仲介手数料も取られてしまうので、利益率も低いのです。

例えば、農家の場合、消費者に届くまでに「農家-農協-卸売-仲卸-店舗-消費者」という仲介者がいます。

なので、農家の取り分は約30%しかないということになり、それが

農家は儲からず、子どもに継がせようとは思わない

という構造を生み出してしまっています。

ですが、食べチョクの場合は、「農家-食べチョク-消費者」なので、仲介者が少なく、価格の決定権は農家で、農家の取り分も80%なので、農家のこだわりが正当な利益として還元されるようになっています。

通常、こういったブランドの背景はあまり語られませんが、これを知った人は、そのブランドに対する価値が高まるので、商品・サービスの購入に繋がりやすくなります。

食べチョクの他に産直通販サイトがあったとしても、食べチョクの方が特別に感じてしまいます。

だから、パーソナルブランディングで、まず重要なのは、

どうすれば多くの人にリーチできるSNSを構築できるか?

というようなテクニック論ではなく、ブランドの語るべき背景があることです。

✅なぜ、このブランドを立ち上げようと思ったのか?
✅どんな人に利用していただき、どうなってもらいたいのか?
✅どんなところにこだわっているのか?
✅これまでどんなことに苦労してきたか?

などを聞かれたときに、それを熱く語れるかということが重要です。

食べチョクは、この語るべき背景があったからこそ、SNSでも話題となり、多くのマスメディアでも取り上げられてきました。

この食べチョクには「公益性」があるからです。

この食べチョクが広まれば広まるほど、日本でこだわりを持っている生産者が救われ、多くの家庭に、美味しくて、健康的な食材が行き渡るようになるからです。

これがあるからこそ、周りから応援されるのです。

そうではなく、ただ「会社の規模を大きくしたい」「上場したい」「売上を上げたい」という自己利益追求型の目的しか持たない場合は、パーソナルブランディングなんて、やりようがありません。

というのも、「なぜ、この企業を立ち上げようと思ったのか?」「なぜ、この商品を作ろうと思ったのか?」と聞かれても

儲かると思ったから

としか答えられないからです。

秋元さんのように、語るべき背景がないのです。

それだと、その後に、具体的な情報発信のテクニック論を学んだとしても、上手くいきません。

だから、まずは

✅なぜ、このブランドを始めたのか?
✅誰にとってのブランドでありたいのか?
✅このブランドと関わることで、どんな風に未来が変わるのか?
✅商品・サービスにどんなこだわりがあるのか?
✅ブランドとして最優先にするポリシーは何か?

などのブランドの背景を言語化することが大切です。

今回の記事で、パーソナルブランディングの具体的なステップまで話すと、かなり長くなってしまうので、それはまた別の動画で話そうと思うのですが、パーソナルブランディングで、まず初めにやることは、プロフィール文章の作成です。

ここにブランドの背景を込めていくので、まずは思いつく限りで良いので書き出してみましょう。

表現として整っていなくても大丈夫です。プロフィール文章の作成の際に、表現は整えていくので、まずは書き出してみてください。

最後に

ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます。

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