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NVCが拓く新しい「可能性」とは?

私たちは問題に遭遇すると、しばしばフラストレーションに苛まれ、それを厄介な障害として扱ってしまう傾向があります。
腫れ物扱いされやすい問題ですが、実はとても大きな価値が内在しています。
それは、問題があるからこそ、私たちの対処能力を向上させたり、力を結集させ、共に困難と向き合う同志としての絆を育てるきっかけを提供したりします。

つまり、「必要は発明の母」という言葉が示すように、時に問題は私たちを次のステージへと引き上げてくれる側面があるのです。
しかし、私たちの能力や資源を圧倒するような問題に直面した場合には、必ずしも肯定的な結果が得られるとは限りません。
そのような出来事に見舞われた場合、能力向上よりもパニック、協力よりも対立を引き起こしやすくなります。


そうした圧倒状態による破綻の加速を防ぎ、問題の持つ潜在可能性に根差したイノベーションを生み出せるようにするために、長年着目してきたのが、U理論と成人発達理論です。

U理論は、深い自己反省と共感を通じて、根本的な意識と行動の変容をもたらすプロセスを提示しているのに対し、成人発達理論は、私たちが複雑な問題をどのように理解し、処理できる力を養っていくのかについての洞察を提供します。
これらの理論は、解決困難な問題に直面している私たちに対して、大切な観点を投げかけてくれています。
しかしながら、Uプロセスは抽象度が高く、あらゆる場面で実践できるようになるためには様々な試行錯誤が問われます。
また、人間の「発達」のプロセスは決して即席で出来るものではなく、長い年月を要することも多々あります。


誰にとっても逃げ場がないような問題が目前に迫っている中で、U理論や成人発達理論は「一縷の望み」となりうるかもしれない。
しかし、その実践には時間がかかる。長年に渡ってこのジレンマがとてつもなく大きな課題だと考えておりました。
そんな中で、あるとき、約15年前に出会い実践してきたNVC(Nonviolent Communication=非暴力コミュニケーション)に大きなヒントがある、という思いに至りました。
元々NVCには大きな可能性を感じていましたが、NVCの実践に注力することでUプロセスと成人発達のヒントをより掴みやすくなる、ということが浮き彫りになってきたのです。

マーシャル・B・ローゼンバーグ博士によって提唱されたNVCは、相手を傷つけるコミュニケーションではなく、平和的に協調できるコミュニケーションとは何なのかを明示しています。
ただ、この NVCも実践は非常に難しく、10年、20年かけて体得していくようなものでもあります。

そこで、U理論と成人発達理論の観点と重ね合わせて学んでいくことでNVC実践の着眼点や観点を立体的に体得できるだろうと思い、この三つを統合した新たな講座プログラム「成人発達理論ベースの実践重視型NVC講座(Adventure)」の提供をはじめました。
3月下旬に第1期の講座をスタートさせ、有難いことに5月スタートの第2期も満席になりました。

「この講座は自分の集大成になるものだ」という実感が日を追うごとに強まっています。
ご参加の皆さまにはこの講座を通して、飽くなきUプロセスの実践や成人発達の旅をご自分なりに歩んでいくきっかけになってほしいと願っています。


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