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土作り

先日からロクロ作業を再開しました(^^)
お茶碗をいくつか作ったのですが、今回はその原料となる土(粘土・陶土)についてのお話です。



敷地内から掘った土をベースにする所までは同じですが、それを単体で使ったり、ブレンドしたり、砂を戻したり…

何を作るかや窯のどの場所で焼くかで4種類くらいの土を使い分けています。

今のところ、私の使い分け(登り窯の場合)は以下のような感じです。
また、自家製土は水簸という作業で砂や小石を取り除いたものであるという前提です。



・自家製土(自宅で掘った土)のみ
主に古小代の写しを作る場合に使用しています。
古小代を写す過程で、土を手作業で精製するという昔ながらの方法を追体験するという意味合いが強いです。
現在、焼き上がりに少し違和感を持っていまして、今後は土の作り方を微調整する可能性があります。


・自家製土+佐賀などの赤土をブレンド
定番食器に使用する土です。
自家製土をベースに、他の赤土をブレンドすることで割れや火膨れなどの傷が出にくくなります。
あくまで小代焼らしさを損なわない範囲で、定番食器は出来るだけ安価にするために歩留まりを良くしています。


・細かい砂を戻す
水簸作業で取り除いた砂を、細かい篩にかけてもう一度戻します。
戻しすぎると水漏れしやすくなってしまうので、程よく戻します。
細かい砂が入ることで土が炎に強くなり、火膨れを起こしにくくなります。
登り窯の中でも特に高温になる火前に置くための作品(一点物の湯呑みや鉢など)に使用します。


・細かい砂+小石を戻す
上記の細かい砂に加え、少量の小石を戻した土です。
火に強くなるだけでなく、焼成中に小石が土の中から顔を出したり釉薬の流れに変化がつくことで、表情豊かな焼き上がりになります。
茶器、花器、酒器などの作品的な一点物を作るときに使用します。



一点物のお茶碗



この写真の土は少し砂や小石が入っていて、焼く時に自然と変化してくれるといいな~と思っている土です(^^)

秋くらいまでは4種類の土を使い分けて、作品をいろいろと作っていく予定です。


2023年8月19日(土) 西川智成

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