『脳と時間』 ディーン・ブオノマーノ
超ど真ん中、豪速球の面白さです。
「過去も未来も現在も平行して存在している」
「今は過去の積み重ねじゃなくて、未来は決まってる」
「時間の流れとは心によって作り出された錯覚だ」
というのが最新の物理学や哲学の主流の考え方だと聞いて、みなさん、どう思われますか?
相対性理論や量子力学を勉強した人でも「そういうこともあるかもな」とは考えられても心から納得するの難しいと思うし、そうじゃない人はとてもじゃないけど納得できないと思います。
それは、今日は昨日とは違うし、明日は今日が終わったらやってくるという圧倒的にリアルな(と感じる)感覚と矛盾するから。
では、時間とは何か?
時間は、色や音のようにそれらを知覚する器官をもたないのになぜ知覚できる(できるように感じる?)のか?
本書は、計算神経科学、神経生理学、心理物理学に精通している著者が生物学、心理学、物理学の境界をまたぐこの問題を、素晴らしくわかりやすく、楽しく読ませてくれる最高の知的エンターテイメント本です。
この本を読み終えたとき、皆さんは、自分の体感とは絶対に相容れない永遠主義(ブロック宇宙論)の信奉者になっているかもしれません。
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