成功者に一か八かはない

追いつめられるとヒトは、勝てっこない賭けごとをする。そして決まって「やってみなけりゃわからない！」なんて意気込む。で、だいたいは負ける。ドラマなんかだと勝てるんだけど実生活だと勝てませんよね、なかなか。

CMの仕事をしていると企業のトップと話をする機会がある。ある時期は数十社を抱えるホールディングス会長と毎日のように打ち合わせをしていたこともあるが、成功者は一か八かと言うことはあっても一か八かの決断はしていないことに気づいた。まわりの人からみると一か八かの決断も、その人の中では負けて八ぐらいの賭けごとになっている。
感覚的には、八か二十か。負けても成功勝ったら大成功。それはやはり経験で可能性をつみあげていて、最後の少しのところだけ分からないことをやってみる。そうやってまた可能性をつみあげていく。

こう書いてみてクリエイティブジャンプの割合と似ているなと。クリエイティブは感覚でやってるように思われることがあるのですが（そうしてる人もいるのかもしれませんが）、ロジックが７〜８割を占めます。この企業は業界でどういうポジションだとか、いままでのメッセージはこうだとか、世間のイメージはこうだよねとか、競合はこんな感じだとか、そんなことを延々とかんがえています。そして導きだされた答えのようなものが、より力を発揮できるようにクリエイティブジャンプさせる。ロジックでは決して出てこないようなアイデアをぶつけて、いろんな人に「これいいね」と言わせるパワーをつける。まさに八か二十かをやっているじゃないか。これからも二十にするための精度を上げていかなきゃね。

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