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隠す広告で魅せる。

ドトールとスタバは同じ豆でサイズ展開もほぼ一緒。
なのに、スタバの方が100円高く販売できる理由はなんだろうか?
この100円の差にブランド価値があるんだけど、じゃあどうやってその100円の差を作っていくのか。

無印商品のイメージは?

無印良品のイメージは何?と聞かれた時に、あなたの脳裏にはどんなイメージが浮かんだだろうか?

一旦答えは後回しにしてブランド戦略について考えたいんだけど、そもそもブランド戦略ってのは市場競争や価格競争から逃れるための戦略であると同時に、自社の強みを消費者側に共通認識してもらうことだよね。

そのための方法をここから書いていく。
さて、さっきの質問に戻るけど無印良品のイメージは何?

「シンプル」だよね。

FES戦略

FES戦略
F/FUNCTIONAL(機能的価値)
E/EMOTIONAL(感情的価値)
S/SELF-EXPRESSIONAL(自己表現的)

F/FUNCTIONAL(機能的価値)
ここに関しては一番シンプルに考えやすい部分で、ニーズと競合を分析して自社の戦えるフィールドを探すことだよね。

顧客の求めるところと自社の強みが重なる所ー競合の強み
=USP(unique selling point)

例えばさっきの無印で言うと、
顧客の求めるところ=シンプルなモノ
無印良品の強み=シンプル
ニーズ合致(徹底的にここで戦う)

他社の強み=豊富なカラーバリエーション
ここでは一切戦わない

2:8の法則
顧客の2割である優良顧客の売り上げが全体の売り上げの8割をつくる法則

上記の法則にもあてはまるように、中小企業ほどこういった特化戦略をとっていくべきだよ。

E/EMOTIONAL(感情的価値)
読んで字のごとく、感情に差し込んでいくコンテンツだね。
ここでは、価格的な価値や機能面は一切プロモーションしなくていい。
とにかくイメージを売る。

例えば、
スーツケースを売りたい→旅の写真
コース料理を売りたい→ディナーデートの写真
みたいな感じ。

S/SELF-EXPRESSIONAL(自己表現的)
ここ!ここメチャクチャ大事。
5感を刺激する差し込み方を意識する表現。匂い、カラー、音、、そんな感じ。例えば下記の企業。

MONOの消しゴムは?→青い
吉野家の看板は?→オレンジ
お値段以上は?→ニトリ

これが共通認識ってヤツだよね。僕とあなたじゃ歩んできた人生も違うし、価値観も違えば、性別だって違うかもしれない。けど、MONOの消しゴムは「青い!」って答えるし、吉野家の看板は「オレンジ!」って答えるじゃん?シンプルだけど、ブランドってのはそういうこと。

もちろんこれにはインナーブランディングも重要で、従業員全員が一つの指標に沿って空気感を作る必要がある。「めちゃくちゃ格式高いBAR」を目指したブランディングをしているのに、現場に立つスタッフが居酒屋接客をしていたら一生そのイメージ付けは定着しないよね。

インナーブランディング:社内向けブランディング

5A理論の最も重要なA

「マーケティングの神様」フィリップ・コトラーが推奨する5A理論というマーケティング理論がある。

5A理論/消費者がモノを認知してからのフロー
Aware(コレ知ってる)
Appeal(好きかも)
Ask(調べよう)
Act(よし買う!)
Adovocate(周りに推奨しよう!)

所謂、消費者プロセスなんだけど、!このフローで一番大切なAは最後のAdovocateの部分。

ヒトの購買決定において、1番影響力のある方法は「友人家族知人からの推奨」というデータがある。

だから、提供する店側は購買をゴールにしてはいけない。その買ってもらったモノをいかに広めてもらうか。そこにコミットしなければならない。

皆まで言うな。

さて、今日のタイトル「隠す広告で魅せる」ここにそろそろ着地しようかと思う。

ここまでのことをまとめると、
1-USPを意識して自社の強みに特化する
2-インナーブランディングを徹底してブランドの空気感を作る
3-消費者に推奨してもらう

といったフローでブランディングをしようって話なんだけど、大事なのは消費者間で自分のブランドに対して「共通認識」を持ってもらうことで、自社の商品の値段や詳細情報じゃないんだよね。

例えば、

「今朝とれた新鮮な野菜をふんだんに使用したシャキシャキサラダが本日のオススメ!ランチタイムならパンもついて¥980です!」

って広告と

「当店のランチはあなたの午後をちょっぴり豊かにします。」

って広告、どっちが頭に残る?
値段や詳細情報なんか自社発信の媒体で出す意味は無いんだよ。だって購買決定で一番重要なプロセスは「家族友人の一言」なんだから。

モノを提供するサイドがやることは徹底したイメージ作り。それを買うことでお客様が得られる優位性。そこにフォーカスして消費者からの自主的な推奨を起こすこと。

だから商品はむしろ隠していい。
スーツケースブランドが旅の写真だけをSNSにポストしたように、洋服屋ならその服を着て得られる素敵な日常の写真だけにフォーカスしてもいいかもしれないし、飲食店なら楽しそうにおしゃべりをするお客様の様子だけにフォーカスするのもアリだろう。

徹底したブランディングがあれば、商品はお客様が広報してくれる。
「ストーリーを伝え、商品を隠す。」

20.8.28 なかちゃん

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