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俳句手帖

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2020年8月から俳句はじめました🌱 俳号は加那屋こあ
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2021年6月の記事一覧

夜濯ぎや名前も知らぬ隣人

マニュキアの夜濯ぎの間に乾きたり

加那屋こあ
2021.6.28

蓮花や奥歯の痛み忘れおり

二の腕の白く伸びたる日傘かな

加那屋こあ
2021.6.27

乗り換えの駅でサイダー飲み干せり

金曜の仕事帰りや氷菓子

加那屋こあ
2021.6.26

先生のおかわりしたる新茶かな

色香り飲み比べたる新茶かな

加那屋こあ
2021.6.25

梅雨曇絶叫マシンの天高く

ナイターの無い日飲み屋の早じまい

加那屋こあ
2021.6.24

夏大根首と尻尾を残りけり

夏大根白く透けたる藍の柄

加那屋こあ
2021.6.22

一株のトマト青くて硬きまま

次々と手にするトマト品定め

ターミナル駅で売らるる夏大根

加那屋こあ
2021.6.21

どぶ臭き淀や目高の黒き群

柔らかきチョコレート口へ朝曇

加那屋こあ
2021.6.19

均等に並べし夫の梅莚

梅の実や帰りの鞄重くなり


加那屋こあ
2021.6.20

夏の川高層棟に臭いたり

雲の峰コロッケパンの重きかな

腸の出でし真鯉や柘榴花

加那屋こあ
2021.6.18

黒南風やサドル僅かに高くして

青嵐いつもの橋は通行止

加那屋こあ
2021.6.17

萼紫陽花柏手二つ聞こえけり

父の日に一日遅れ紫陽花鉢

加那屋こあ
2021.6.16

父残す涙の形サングラス

新しき眼鏡で歩く炎暑かな

加那屋こあ
2021.6.15

起し絵の中に千本鳥居あり

古き唄かかる酒場や立版古

加那屋こあ
2021.6.14