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俳句手帖

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2020年8月から俳句はじめました🌱 俳号は加那屋こあ
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2021年5月の記事一覧

梅雨入りていつそう濃く沈む街

梅雨に入るただ黒々と墓並び

ペールカラー髪かきあげて梅雨きざす

加那屋こあ
2021.5.31

地図帳へ同心円を描く夏

更衣して吹き抜けのビルヂング

校門を乗り越えた手でソーダ水

加那屋こあ
2021.5.30

夏鴨の食べ尽くしたり柔き葉

紫陽花や一駅ごとに濃くなりて

加那屋こあ
2021.5.29

夏休くちさけ女の噂かな

従姉から化粧教わる夏休

友達と課題持ち寄る夏休

加那屋こあ
2021.5.28

給水塔浮かぶは青き海月かな

兄弟喧嘩おさまるを待つ守宮かな

加那屋こあ
2021.5.27

そこまでは名無しの傘や走り梅雨

梅雨入りて洗濯籠の溢れおり

加那屋こあ
2021.5.26

網の目に食い付くしたり尺取虫

尺取虫喰ふた残りを人が喰ひ

加那屋こあ
2021.5.25

夏兆す麒麟の舌は黒々と

毛虫焼く寝間着のままの女かな

加那屋こあ
2021.5.24

紫陽花や地蔵の赤き帽深く

青梅の落ち足元に熟しけり

加那屋こあ
2021.5.23

オンオフのスイッチのあり天道虫

末っ子のふくれっ面や天道虫

加那屋こあ
2021.5.22

蛇逃げし街隅々の息潜め🐍

加那屋こあ
2021.5.21

ソーダ水ブランデンブルグ聴きながら

通勤路つかず離れず夏の蝶

加那屋こあ
2021.5.20

渋滞の灯り卯の花腐しかな

よろよろと草むらに落つ梅雨の蝶

加那屋こあ
2021.5.19

靴下の片方消えて夏兆す🧦

様々な大きさのあり蝸牛🐌

加那屋こあ
2021.5.18